比嘉大吾、世界王者に 県出身25年ぶり ボクシングWBCフライ級


この記事を書いた人 Avatar photo 瀬底 正志郎

 世界ボクシング評議会(WBC)フライ級タイトルマッチ12回戦は20日夜、東京の有明コロシアムで行い、同級1位の比嘉大吾(21)=白井・具志堅スポーツジム、宮古工高出、浦添市出身=が、前日の計量で制限体重を超過して王位を剥奪された「前王者」のフアン・エルナンデス(30)=メキシコ=を6回2分58秒で倒し、TKOで新王者となった。勝負を決めた6回には計4度、エルナンデスからダウンを奪い、得意の左フックをボディーに決め、リングに沈めた。県出身の正規王者としては平仲信明氏(53)以来25年ぶり、暫定王者だった江藤光喜(29)=現役=を合わせると9人目の世界チャンピオン誕生となった。

チャンピオンベルトを肩に掛け、具志堅用高会長(左)とポーズを取る新王者の比嘉大吾=20日、東京・有明コロシアム(花城太撮影)

 比嘉は戦績を13戦13勝(13KO)と伸ばし、日本人初のパーフェクトレコード(全戦KO勝利)による世界王者となった。所属ジム会長の具志堅用高氏(61)が1976年に世界ボクシング協会(WBA)ジュニアフライ級タイトルマッチに勝利し、県出身初の世界王座に就いた21歳と同年齢でのタイトル奪取だった。エルナンデスの戦績は37戦34勝(25KO)3敗。

 会場には出身地の浦添市や高校時代を過ごした宮古島から数百人の応援団が駆け付けた。比嘉のパンチがヒットするたびに拍手が起こり、TKO勝ちが決まると大歓声に包まれ、新王者の誕生に沸き返った。

 比嘉は1回から前へ出て、足を使い距離を取るエルナンデスを追い掛けるようにパンチを繰り出した。2回に、左フックを合わせ、1度目のダウンを奪った。

 5回、左フックをヒットさせ、2度目のダウンを奪った。続く6回、距離を詰めてボディーと右アッパーで3度目のダウンを奪うと、接近戦へ持ち込み、畳み掛けるようにパンチを出した。得意のボディーを決めながら一気に詰め、右ストレート直後の左フックをボディーに決め2分58秒で勝負を決めた。