「アウェー」茂木健一郎さんの連続ツイート

茂木健一郎さんが不定期で行う連続ツイート。 今日は、「アウェー」について。 明日はアジアカップ2011 「カタールVS日本」がアウェーの地カタールで行われる。
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茂木健一郎 @kenichiromogi

アウ(1)サッカーというスポーツはいろいろ興味深い点がある。一つの特徴は、ホームに比べてアウェーの勝率が有意に低いことである。負ける可能性が高い。だからこそ、アウェーでの闘いには意味がある。

2011-01-20 07:40:39
茂木健一郎 @kenichiromogi

アウ(2)日本人は、アウェーに弱いと言われてきた。そして、今、アウェー自体を失いつつある。子どもの頃から、失敗しないように、怪我をしないようにと大事に育てられてきたから、負けるかもしれないアウェーに行かなくなってしまったのである。

2011-01-20 07:41:23
茂木健一郎 @kenichiromogi

アウ(3)ホームは、確かに心地良い。しかし、感性が目覚めるのはアウェーである。人類はアフリカで誕生して以来、ずっと移動を続けてきた。アウェーに挑戦し続けるのは、一つの本能と言ってよい。

2011-01-20 07:43:14
茂木健一郎 @kenichiromogi

アウ(4)アウェーでしか出会えないセレンディピティ(偶然の幸運)がある。見知らぬ土地だからこそ、そこで出会う新奇な事物と、自分の内なるホームとの組み合わせを通して、斬新なハイブリッドを生み出すことができるのだ。

2011-01-20 07:44:12
茂木健一郎 @kenichiromogi

アウ(5)アウェーに行くと、自分の「プリンシプル」が問われることになる。異なる状況で安全基地(secure base)になってくれるものを、内側から掘り起こさなければならない。つまり、自己認識のきっかけとなる。

2011-01-20 07:45:25
茂木健一郎 @kenichiromogi

アウ(6)アウェーに行くと、自分の内側の思わぬものが、他者への「贈り物」になることに気付く。ふだんあまりにも当たり前と片付けていたものが、見知らぬ土地ではかけがえのない原石になることに気付かされるのだ。

2011-01-20 07:46:10
茂木健一郎 @kenichiromogi

アウ(7)そして、アウェーでの闘いには、いつかは「ホーム」に帰ってくるという愉しみがある。アウェーでの厳しい闘いを経験しているからこそホームの温かさが身にしみる。ずっとホームにいたら、故郷の有り難さがわからないだろう。

2011-01-20 07:47:06
茂木健一郎 @kenichiromogi

アウ(8)自身とホームを認識するためにも、アウェーに赴かなければならない。若者が外国に行かなくなった。アウェーを失った国民は、自分自身の像をも見失う。

2011-01-20 07:47:49
茂木健一郎 @kenichiromogi

アウ(9)自分というものは、捨ててこそ大きくなって戻ってくる。ホームだけにいたら、もやしになってしまう。堂々たる大木になるためにも、青年よ(そして心の中で青年である人よ)。アウェーを目指せ!

2011-01-20 07:49:19
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、「アウェー」についての連続ツイートでした。 『アウェー脳を磨け!』も見てね。 http://amzn.to/ekVo6y

2011-01-20 07:50:12