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■吉成翔子個展 (9月23日まで)

2010年09月21日 01時27分47秒 | 展覧会の紹介-彫刻、立体
 
 道教育大の大学院に在学中の若手、吉成翔子さんの初個展。
 個展は初めてでも、これまでグループ展や道展で印象に残る作品を発表してきました。

 グループ展では、矩形や階段を組み合わせたような、複雑な構造の大作が筆者の記憶に強く残っているのだけど、今回は、曲線が主体です。
 さすが、すべて新作とあって、この広い法邑の空間を、統一感を持たせるにはいいか考えた結果なんでしょう。

 



 今回の大きな特徴は、題の表示がないこと。
 ご本人によれば、キャプションは用意してきたそうなのですが、つけるのがいいのかどうか迷っているうちに、数日が過ぎてしまったそうです。

 筆者としては、題がないのもいいと思います。
 手前の作品群は、これまでの吉成さんと異なり、複数の独立した部品からなるけれど、題がないので、これらでまとめて1点なのか、あるいは、ひとつひとつが作品なのかわからない。
 それがかえって、おもしろく感じられます。

 右の壁には、牛の顔のかたちをした壁掛け作品が5点ならんでいます。
 さすが、幌加内町の牧場で育っただけある。みんなおなじ顔に見える牛も、親しくしてきた人から見れば、1頭1頭個性があるように感じられるのでしょうね。





 同様の作品は昨年の3人展にもあったが、これは新作の由。

「ことしの夏は暑くて、溶接とか大変でした」
と笑う吉成さん。
 力仕事にもめげず、がんばっています。

 曲線の多い立体作品はとくに、見ていると心がほこほこしてきます。
 鑑賞者の気持ちをほっとなごませる作品だと思います。

 デッサンしているうちに生まれる、ほわほわとしたかたちは、大自然の中で育った吉成さんから、湧き出てくるものなんでしょうね。

 年末、北広島で毎年松原茂樹さんの企画でひらいているグループ展にも出品する予定とのこと。


2010年9月15日(水)~23日(木)10:00am~6:00pm(最終日~5:00pm)、火曜休み
茶廊法邑ギャラリー(札幌市東区本町1の1)


関聨ファイル
遠くを聴く この言葉で繋がる7人の世界 (2009年11月)
金工時間 金属造形作家3人による展覧会 松田郁美・町嶋真寿・吉成翔子(2009年9-10月)
金工展(2008年)=画像なし



・地下鉄東豊線「環状通東駅」から750メートル、徒歩9分
・中央バス「本町2条1丁目」から350メートル、徒歩5分


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
個展 (怜な)
2010-09-21 09:27:05
16日に行きましたが、仲間と一緒でしたのでサーと見です。

再度、ゆっくり観に行きます。
若い作家さんに、活躍して欲しいですね。
Unknown (ねむいヤナイ@北海道美術ネット)
2010-09-21 19:32:12
吉成さんの作品は抽象ですが、理屈抜きで気持ちいいなと思います。

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