女性エンジニアが働きやすい職場 | サイバーエージェント 公式エンジニアブログ

 はじめまして。新規開発局インフラテクノロジーグループで、主にサーバー管理をしている、おくら、です。

 今回のエントリでは、【女性エンジニアが働きやすい職場】としてのサイバーエージェントをご紹介させていただこうと思います。



サイバーエージェント 公式エンジニアブログ


 私は、この会社に中途入社して5年目になります。入社当時は、女性インフラエンジニアは私1人でしたが、現在ではエンジニア全体の4分の1にまで増えました(この割合は、同業の他社と比べても多いのではないでしょうか?)


 私が入社した当時は、数多くのサービスがものすごいスピードでリリースされていて、リリースされるサービス数とスピードにエンジニアの絶対数が足りず、また、連日の障害対応もあって男女関係なく、深夜まで作業していました(徹夜での作業も普通にありました)。世間様からは、うちのビルは『不夜城』なんて呼ばれていたんですよ。当時のエンジニアは全員、こんな風に【身を削って、プライベートを削って】仕事をしていた気がします。


 こういった職場は、仲間意識も強くなって面白いことも多々あったりするのですが、少なくとも結婚を考える女性やお子さんがいる男性にとっては、一生働くには厳しい職場ですよね。

 ただこうした不衛生な職場も、M.S氏が入社し、会社もエンジニア社員の気持ちを尊重するようになってから、徐々に変わっていきました。【ワークライフバランス】を考え、選択できる機会がエンジニアにも与えられ、100%仕事「だけ」が興味である人以外も、業務を続けられる環境になっています。


 ウィキペディアで【ワークライフバランス】の意味を調べると、


---

「仕事と生活の調和」と訳され、「国民一人ひとりがやりがいや充実感を持ちながら働き、
仕事上の責任を果たすとともに、家庭や地域生活などにおいても、子育て期、
中高年期といった人生の各段階に応じて多様な生き方が選択・実現できる」ことを指す。

---


 とあります。

 この文の中でも特にM.S氏は、エンジニアとして【多様な生き方が選択・実現できる】環境実現を常に念頭におき、そこに向けて、我々エンジニアを誘導していってくれているように思います*1。


 例をひとつ挙げると……現在、私は妊娠7ヶ月目なのですが、妊娠した当時、社則や内規を読んでも、どういった規程があるのか・ないのか、まるでわからなかったんですよね。
人事に確認したところ、一応の規程はありましたが、具体的な適用例の記載がないため、該当者にとっては内容がわかりずらく、自分にどのように適用していいものか悩みました。

 そこでさらにM.S.氏に相談したところ、われわれ女性エンジニア向けに、妊娠中~産前・産後~育児中~全期中の下記(1)~(15)項目について【当事者の私】が主となり、(あ)~(い)について、詳細を決めさせてもらえることになったのです*2。


*妊娠中*
(1)健康時間の確保
(2)通勤緩和
(3)休憩時間の確保
(4)施設整備
(5)時間短縮勤務
(6)業務転換、就業制限
(7)相談窓口の設置

*産前・産後*
(8)産前・産後休業


*育児中*
(9)育児時間
(10)経済的支援
(11)職場復帰支援


*全期*
(12)情報提供
(13)研修の実施
(14)風土づくり
(15)検討体制づくり


(あ)局内エンジニアの内規として設けるべき項目か
(い)必要なエビデンス
(う)有給とするか無給とするか
(え)設けるべき項目と有給/無給の説明
(お)使用例/制度例


 これらの権利は、私自身のケースに適用されるだけではなく、今後続くであろう女性エンジニア全員の基盤となるルールなので、他社の事例や弊社の状況も考え、われわれの権利だけ主張過ぎないよう、かといって、厳しくしすぎて、他業界の人たちからみれば恥ずかしいレベルにもならないよう、心がけました。


 100%とは言えませんが、実経験から規程を作っているわけですから、それなりに現実的で使える規程になっていると思います(今後、実際の適用例が増えるにしたがって、当然、自分たちで改善や改変もされていくかと思います)。また、私が調べた範囲では、弊社のようなネット業界の会社でこれらについて具体的な説明、記載を行っている会社は皆無なので、それだけ見ても、うちのエンジニアの職場環境は一歩上を行っていると思っています。

 残念ながら、その他業種を含んだ社内調整がこれを書いている現在では済んでいないので、実際の内容については、このブログでは公開できないのですが、弊社への就業を希望の方については、実際の採用、就職面接時などに希望すれば、個別でその内容はお伝えできるかと思います。

 当事者が主となり規程を作っていけるのってすごく良いことだと思いませんか?この規程を策定していく上で、私自身、女性エンジニアとしても、妊婦としても、より働きやすい環境になったと実感しています。まさに【多様な生き方が選択・実現できる】ことを実践させていただいたのです。


 【多様な生き方が選択・実現できる】風土はM.S氏を通して、新規開発局のエンジニア全体に根付いています。この記事のTOPに【女性エンジニアが働きやすい職場】について紹介すると記載し、例も女性特有のものを挙げてはいますが、結局のところ【多様な生き方が選択・実現できる】環境は、男性・女性に関わらず【働きやすい職場】なのです。


 言い方を変えれば、【多様な生き方が選択・実現できる】かわりに、自分自身で考えて動けない人、や、言われたことだけをやりたい人にとっては、【働きやすい職場】にはならないかもしれません。


 もし、この記事を読んでいるエンジニアの方の中で、【多様な生き方が選択・実現できる】環境が【働きやすい職場】だと思った方は、男性、女性問わず、ぜひ、弊社の面接を受けてみてください。

 うちの離職率が低いのにはれっきとした理由があります、きっと気に入ると思いますよ。


 ぜひぜひ!!!



*1.M.S.注:まあ、過大評価です。そもそも私は指導などせず、現場に戻りたいと願っている人間ですので...

*2.M.S.注:これは謙遜した書き方です。M.S.は他のエンジニアからみて不公平にならないようにOkura氏に対して、個別の指摘はしましたが、包括的、全般的なルールを、今後の弊社女性エンジニアの標となるよう尽力したのは、紛れもなく彼女自身です。