今月の10曲
line
[ 戻る ] [ 2004/ 4月版 ] [ 次へ ]
[ BLUE CAFE コーナーへ ]
『WORLD STANDARTD』に自分が紹介させてもらったレコードのうちの何枚かは、時おり立ち寄る私鉄沿線の町の、いわゆる“中古CD&レコードの店”っていうような佇まいの小さなお店で手に入れたものなんですが、そういうお店って、未知のナイス盤発掘や稀少盤の捜索に長けた目利きのレコ屋さんとはまた違った意味でうれしい存在ですね。いわゆる“思わぬ拾い物的な発見”が期待できたり、あるいは買い逃していた速攻売り切れの人気盤が普通にセコハン価格で置いてあったりして。そんな寄り道のひとときは本当に楽しいものです。そういえば以前は青山ブックセンターからを六本木WAVEへハシゴするっていうのも寄り道の黄金コースでした。収穫がなんにもないときでも独特のクセのあるレコメン盤コーナーを見ているだけでも面白くってずいぶん参考になったし、試聴もどれだけたくさんしたか判らないほどでした。そんな六本木WAVEもいまは昔。懐かしいなぁ。
3月21日、郡山DOOZにて。翌日は福島のホットヴィニールにて300円の大傑作盤に出会いました。
PREMIUM CUTS PROGRAM 2004
APRIL〜MAY LINE UP 21:00 OPEN (\2,000/1D)

※誕生月に入場の方、入場料無料(要ID提示)

4月14日(水)『Premium Cuts 2004』
DJ:鈴木雅尭(APRIL SET/BLUE CAFE), 佐野真久, 橋本好真, トーマス平井, 関口紘嗣, and Guest!

5月12日(水)『Premium Cuts 2004』
DJ:鈴木雅尭(APRIL SET/BLUE CAFE), 佐野真久, 橋本好真, トーマス平井, 関口紘嗣, and Guest!

TWISTE ET CHANTE
STRAIGHT A'S / Same STRAIGHT A'S / Same
(KAPP) LP

その実力優秀ぶりを込めて名付けられたと思われるグループ名。卒業証書をモチーフにしたジャケデザイン。そのとおり如才なく素晴らしいコーラスワークを聴かせてくれるUSグループのアルバム。NICKY WEISH、CY PAYNEなど曲によってプロデューサー・クレジットが変わるのは、このアルバムがそれまでにリリースしたシングル曲の集合体だから。「BLUE MOON」「GAMES PEOPLE PLAY」「TOO BIG TO HIDE」などの耳なじみの曲がホーン、ストリングスを交えたソフトロック・スタイルで軽快に歌われています。
LAWRENCE WELK / Candida LAWRENCE WELK / Candida
(RANWOOD) LP

50年代〜80年代まで長きにわたってアメリカのイージーサウンドを盛り上げて来たコンポーザー&コンダクター。リリースしたアルバム、共演したショウビズスター、数知れずらしく。ヴォーカル隊をフィーチャーしたアルバムも何枚もつくっており、このRANWOOD盤もその一枚。RANWOODっていうと『BACHARACH&BAROQUE』が印象深いけど、そのBACHARACH作「CLOSE TO YOU」はボッサ・ソフトロック的スタイルに。ほか、「SNOWBIRD」「SOMETHING」などもソフトロック的アレンジで疾走。
NICHELLE NICHOLS / Down to Earth NICHELLE NICHOLS / Down to Earth
(EPIC) LP

トレッキアンにはおそらくとてもポピュラーな存在。SFドラマ『STAR TRECK』の地球人通信主任ウフーラ役を長くつとめていた女優さん。もともと歌手出身だったらしく、ドラマの中でも得意のノドで披露するシーンがあったようです。このアルバムはアレンジをあのGERALD WILSONが担当。全体にアダルトシックなじっくり聴かせる仕上がりになってるけど、激GROOVYな「FEELIN' GOOD」と、ビッグバンド的アレンジのスウィングナンバー「THE LADY IS A TRAMP」の2曲が、別格のごきげんTUNEです。
WILMA READING / Take a Closer Look WILMA READING / Take a Closer Look
(PYE) LP

タヒチと英国のハーフのソウルシンガーの、UKPYEでのファーストアルバム。ラス・ヴェガス、香港、アムスなどのショウビズ界を経て、英国でのキャリアをスタートさせたようです。そのたくましくも可愛い声がこのアルバムの最大の魅力。P. UPTONの「MORE TODAY THAN YESTERDAY」はフリーソウルど真ん中のミッドテンポシャッフル。J. FELICIANOの「RAIN」はファルセットのスキャットも彩りを添えるメロウダンサー。「DOWN AT A PLACE」はモータウンタイプの華やかなハッピーソング。
TEDDY MOORE et SON ORCHESTRE / Toutes les Danses TEDDY MOORE et SON ORCHESTRE / Toutes les Danses
(PRESIDENT) LP

いわゆるイージーサウンド系アルバムは世界に数えきれないほどありますが(実際この仏盤の裏にも打率の低そうなお手軽セミヌードジャケの兄弟盤がずらりと紹介されています)、そんな中にもときどき明らかに突出した長打級の傑作が見つかったりするから奥が深い。これもそんな一枚で、いろんなタイプの曲が並ぶ中、「LE VENT SOULEVE LE SABLE」とか「MANGANAO」なんて、かなり本気でレベルの高いボッサ・ジャズ。「JE SUIS LAS ET JE M'EN VAIS」なんていうキャバレー・ジャズの逸品もあり。かっこいい。
ZAK THOMAS / Midem Song 75 ZAK THOMAS / Midem Song 75
(BARCLAY) 7"

やる気のまったくないジャケットはご丁寧に裏表まったく同デザイン。ライブラリー盤みたいだけど。しかし内容はバツグンで、ラテンフレイヴァーの分厚いソフトロックサウンドに乗せて歯切れのいい混声スキャットが滑空。どこかの航空会社のCMソングだと言われても納得してしまいそうな、爽快感120パーセントの傑作ナンバーです。115前後のBPMも踊りやすさ満点。同曲8ビートアレンジバージョンの反体面も言うことなし。早くも自分の今年上半期のベストシングル候補盤にしてしまいたい一枚です。
JEAN CONSTANTIN / Same JEAN CONSTANTIN / Same
(MODE DISQUES) LP

ヤンギーな女性コーラス隊を従えた軽快なスウィング、ハリガリ、サーフチャチャのオンパレード。作曲・編曲家として有名な人だけど、シャンソンの大家C. AZNAVOURを野方図にしたような唄の方もなかなかの味。特に「バードランドの子守唄」のハリガリ・カヴァー「LA LEGENDE DU PAYS AUX OISEAUX」、本人作のシャンソン・スタンダード(青い部屋クラシックス?)「MON MANEGE A MOI 私の回転木馬」のスウィング・テイクが推し。インド盤ではありませんフレンチ盤です、念のため。
LES COQUETTES / Same LES COQUETTES / Same
(APEX) LP

コケティッシュ=なまめかしく色っぽいさま。そんな名前を冠したこのケベック出身のフレンチカナディアンの美形ガールグループのハーモニーは、確かに可愛くて魅力的。そんなにお色気セクシー路線だとは思えないけど。ソフトロック名曲「WINDY」やみんな大好き「君の瞳に恋してる」、スタンダードナンバー「SUNNY」など、イエイエ歌謡ポップス的なアプローチでノリノリにカヴァーした1969年のファーストアルバムです。TONY HATCHの「CALL ME」はちょっぴりオトナのボッサなアレンジ。
木津ジョージ / George First 木津ジョージ / George First
(EMI) LP

とりたててダンスフロアユースな作品という訳ではありませんけど。味わいに満ちた1977年の国産ジャズ・ヴォーカル・アルバム。演奏は横内章次カルテット・プラス・ストリングス・ブラス。心地よくスウィングするミッドテンポの「THE LADY IS A TRUMP」や「BYE BYE BLACKBIRD」。「SECRET LOVE」はさらにスピードアップ。名曲「LOVE LETTERS」はしっとり艶やかなジャズボッサ。ちょっと鼻にかかった声が、ときどき誰かにすごく似て聴こえるなぁとずっと考えてたけど、横山剣さんでした。
MASANORI SUZUKI / Premium Cuts 007 -HOLIDAY MUSIC- MASANORI SUZUKI / Premium Cuts 007 -HOLIDAY MUSIC-
(CSMP) MIX TAPE

ずいぶん久々のリリースになってしまいましたけど。今回も最近PLAYしたり聴いたりしている曲を中心にいつもの感じでMIXした全33曲の(時節柄、春っぽい雰囲気の)生音セレクションです。「IT'S YOU」「NOTHING BUT A FOOL」「EL MUSIQUITE」「ZOZOI」「MORE BANANAS」などなどのカヴァーに、今回はMONICA ZETTERLUNDやCHRISTIANE NERACなどスウィング・ジャズ系も多めに収録。NICK AYOUBみたいな硬派なジャズもぜひ聴いてみてください。お部屋で、愛車で、爆音で、ぜひ。
 line