本の紹介「科研費獲得の方法とコツ」

「科研費獲得の方法とコツ」

著者:児島 将康、出版社:羊土社 (2010-08-17)、ASIN:4758120137【amazon.co.jp

世の中は、徐々に、科研費申請ムードが漂っていますが、絶好の本が出ました。

児島 将康先生と言えば、以前、こちらでも紹介した「論文作成のテクニック」を公開されている先生です。

科研費の申請書はどう書いたらよいのか?各研究室で門外不出のテクニックなどもありそうですが、私自身、大学院時代に教えていただいやり方でなんとなくやっています。1回基盤Cで落とされた以外は、学術振興会特別研究員、萌芽研究、基盤Cx2と今のところ、まずまずの勝率です。内容は一定レベルはないとダメだけど、最終的には申請者の業績で決まるものと個人的には信じています。1度落とされた基盤Cは、なぜ落とされたのかわからなかったので、翌年、同じ内容で出したら通りました。

さて、科研費獲得のコツってあるのでしょうか?学術振興会や文部科学省が、「こう書けばよい」というものを公開していない以上、審査員が内情をばらす以外、「正しい申請書の書き方」はわからないはずですよね。一応、落ちたときは、一行くらいの「落ちた理由」が書かれてきますが、まったく参考になりません。

でも、著者は、出来るだけたくさんの事例(通った事例、落ちた事例)を集めて、紹介しています。ご自身の、申請書は丸々全部公開しています。「こう書けば絶対に通るというコツはないが、あきらかにこれは通らないという申請書は明確に指摘できる」と、きわめて誠実に、科研費の申請書の書き方を説明しています。

科研費獲得のコツがあるのかどうか?是非、この本を買って試して下さい。初めて申請書を書く研究者や、なかなか通らないという研究者には、大きな助けになる1冊だと思います。


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