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[社説]未来世代の将来を暗くする既成世代の古い職業観

[社説]未来世代の将来を暗くする既成世代の古い職業観

Posted August. 18, 2010 07:38,   

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通貨危機当時、生涯職場とされていた会社から早期退職者が後を立たなかった時、漢方医科大学の競争率は止まることを知らずに高まった。わざわざ会社をやめて30代に修学能力試験を受けて漢方医科大学に進む人もいた。今は初任給200万ウォンを切る漢方医が続出している。漢方医は約2倍に増えて需要は減り、大多数の漢方医院が困難を強いられている。漢方医になったら、会社で首になる心配もなく、お金をたくさん稼いで社会的な地位を享受しながら生きられるという期待が崩壊するに10年がかかったわけだ。

昨今の社会では職業の浮上と衰退が起きる周期が日増しに短くなっている。技術の速い進歩と寿命の延長で、未来世代は一生の間、キャリアプランを何度も変えなければならなくなった。職業の選択でも今現在の人気よりは巨視的で長期的な眼目が欠かせない。既成世代は巨大な流れを読み取れず、過去の古いフレームに閉じこめられている。ある就業ポータルサイトが昨年、サラリーマン408人を対象に「選好する子どもの未来の職業」を調べた結果、1位は弁護士・判事など法曹界の専門職、2位は公務員、3位は医師・看護士などの順だった。

弁護士、医師らの専門職も高所得が墨付きだった時代から遠ざかっている。毎年1000人の弁護士が送り出され、司法研修院を卒業しても仕事が見つからない人が数え切れない。ここに法学専門大学院(ロースクール)卒業者が年間2000人ずつ出たら、法律市場も飽和状態になる。医者が増えて競争が激しくなり、毎年廃業する病院・医院も急増している。一言でいえば、資格証一つで一生を保障してもらった時代は終焉を告げた。

子どもの適性と素質と関係なく親や教師が良いと思う一部の職種に子どもたちを追い込むのは失敗をもたらしやすく、国家的にも人的資源の浪費だ。子どもの頭が良ければ、欧州の親は芸術を、米国は科学分野を薦めるという。優秀な頭脳が法律と医療の方にこのように偏る国はわが国しかないだろう。未来の成長エンジンである科学技術分野で企業家精神を持って飛び込む人材が多い国が希望的だ。

職業専門家らは高齢化や感性・文化的ニーズへの葛藤が高まる時代的な流れから見て、未来には今までとは全く違う分野で有望職業が浮上すると予測している。既成世代は自分の古い職業観から子どもを解放させ、未来でも生き残れる競争力を身につけるよう支援するのが賢明である。