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医学科地域枠16大学で定員割れ について考える

2010年度の入試のトピックスであった、医学科定員増と、地域枠の拡大。
定員増については、つい先日以下のような話題もありました。
日本医学教育学会シンポジウム、医学部定員増に懸念も について考える

地域枠については、これまでにも、うまくいっているという話もあれば、あまりうまく機能していないという話も両方ありました。
地域枠については、以下のようなエントリーも書いています。
広島大 地域の医師確保へ「ふるさと枠」を倍増 について考える

読売新聞の調査では、16大学で地域枠が定員割れしているとのことです。

医学部の地域枠、16大学定員割れ…読売調査」(YOMIURI ONLINE ヨミドクター)という記事から。
 地域の医師不足解消を目的に、ここ数年急増した医学部の地域枠が、16大学で2010年度、定員割れだったことが読売新聞の調べでわかった。
 地域枠全体の定員から見ると9割以上確保できたが、地域によって明暗が分かれた。
 地域枠は主に、地元出身者を対象に推薦などで選抜し、奨学金と引き換えに一定期間の地域勤務を義務づける場合が多い。文部科学省によると、07年度には79大学中21大学(定員計173人)だったのが、地域の医師確保策として、10年度には(入学後に希望者を募る方式も含む)65大学(同1076人)に急増。医学部の全入学定員(約8800人)の1割以上を占める。(後略)

理由はいろいろと考えられるとは思います。
長崎大については、かつて西洋文化の玄関口であったことから江戸時代にまで遡ることのできる非常に伝統のある医学部です。
しかし、長崎は、日本でいちばん島の多い県でもあります。ということは、卒業後地元で医療に従事するとなると、離島に赴任するという覚悟も必要でしょう。
また、単純に、長崎大医学部が、昨年度入試で大幅に志願者が増加したため、一般も含めてその反動で敬遠されたということも考えられます。

医学科の受験に関しては、多くの受験生があまり地域を絞らずに、全国を視野に入れて受験します。
ですから、面接では「なぜ、地元ではなく、ここなの?」「卒業後はここに残るのか?」といった質問が必ずといっていいほどあります。
地域枠に限らず、一般の学生に対しても、卒業後に地元に残ることを期待しています。

前回のエントリーで書いたように、ただ地域枠を設けるだけではなく、そこの目指す高校生も大学と地域が連携して育て上げるような施策が必要だということ。
そして、今回の記事の締めにもありますが、入学後に地域医療に携るための知識・技術と、その必要性を学生時代から感じられるような体験の場がもっと必要だということでしょう。
それは、地域枠に限ったことではありませんが。

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