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自転車シェア11月に試行 共同利用でエコ 仙台市

2010年10月24日13時58分

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写真拡大貸し出しや返却をするコミュニティーサイクルの駐輪拠点=北九州市

 コミュニティーサイクルをご存じだろうか。都心部に自転車の貸し出し拠点を複数設け、市民らが共同利用する制度で、欧州では定着しつつある。仙台市も導入を検討するため11月に試行する。国内ではこうした社会実験が盛んだが、本格的に事業化している自治体は限られている。

 試行期間は11月1〜30日で、本格的な導入に向けた課題を検証する。

 仙台駅前や勾当台公園、一番町商店街、西公園など10カ所に「サイクルポート」と呼ばれる拠点を設け、自転車計100台を置く。利用者が専用のICカードを備え付けの機器にかざすと、自転車のロックが外れる仕組み。利用時間は午前8時〜午後7時で、借りた自転車はどの拠点でも返却できる。

 都市型コミュニティーサイクルはパリやベルリンなどで成功している。国内では環境省などが普及に向けた実験を展開中で、昨年は東京・丸の内周辺や札幌市などで試行した。仙台市も今回、自治体の温暖化対策を促す環境省の「地域グリーンニューディール基金事業」を活用する。

 車の利用を抑えることによる地球温暖化防止のほか、渋滞の緩和や健康づくり、放置自転車の解消の面でも期待されており、実験に名乗りを上げる自治体が増加。3月末から事業化した自治体もある。

 北九州市はNPO法人に運営を委託。10カ所に上り坂に強い電動自転車計116台を置き、24時間利用できる。月525円の基本料金と、1時間ごとに105円かかる。

 富山市は、欧州でコミュニティーサイクルを手がける企業が設立した日本法人に運営を任せている。路面電車の停留所近くなど15カ所に計150台を用意。基本料金は月500円からで、1回30分以内なら無料だ。拠点に張り出す企業広告の収入などで運営費をまかなう。開始から半年間の登録者数は843人、利用回数は約2万4千回を数える。

 昨年10月に試行した名古屋市は、無料にしたことで約3万人が登録。マイカーから自転車への乗り換えの効果も見られた。ただ、採算性に課題が残ったため、有料での実験を今月から始めた。

 各地の実験に携わるNPO法人・自転車活用推進研究会の小林成基理事長は「どんな目的のために自転車を利用するかを明確にすべきだ」と強調する。国内での実験では、バスなど公共交通機関から乗り換えやすい場所に拠点を置くため、結果として公共交通機関の客足が減るケースがあるという。「バスが減れば高齢者には痛手。マイカーの中心部への通行を規制し、自転車に振り向ける方が環境面では効果が高い」(高橋昌宏)

       ◇

 登録方法 対象は18歳以上(高校生を除く)で、利用無料。登録は、おおまち商店街に設けられた現地本部(青葉区一番町3の1の16)で。市交通政策課のホームページ(http://www.city.sendai.jp/toshi/kotsukeikaku/)で仮受け付けしたうえで、各サイクルポートで手続きする方法もある。いずれも身分証明書が必要。問い合わせは専用コールセンター(0120・165・615)へ。

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