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ゲーム理論の理論体系には,まず,碁や将棋あるいはチェスなどのように2人のプレイヤーが勝ち負けを争う「ゼロ和2人ゲーム」の理論があります.フォン・ノイマンの有名な「ミニ・マックス定理」は,このゼロ和2人ゲームの最適戦略の存在を主張するものです.プレイヤーが3人以上になりますと,何人かが結託して行動するという可能性を考慮に入れる必要が出てきます.このような,結託行動のもとで,いかなる利得配分が実現するかを考察するのが,「協力n人ゲーム」の理論と呼ばれるものです.協力n人ゲームの理論は,フォン・ノイマンとモルゲンシュテルンの共著「ゲームの理論と経済行動」によって初めて展開された理論で,この大著の半分以上を占めています.また,プレイヤーが2人でも,勝ち負けを争うとは限りませんし,3人以上でも結託を組まずに行動する場合もあります.このようなゲームは「非協力n人ゲーム」と呼ばれています.この非協力n人ゲームは1950年当時,プリンストンの数学の大学院生だったナッシュが博士論文として提出した独創的な理論です.この理論が後になって経済学の発展に与えた影響はきわめて大きく,ナッシュは1994年のノーベル経済学賞受賞者の一人となりました.
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質問者からのお礼コメント
わかりやすい回答ありがとうございます。大変参考になりました。
お礼日時:2006/9/4 23:47