ボリス・バイクでゴー!

ロンドンの中心地(ゾーン1内)での、貸し自転車制度が始まってから、約2ヶ月半が経ちました。

どかっとして、スクーターにも似た風体の、この自転車は、現ロンドン市長、ボリス・ジョンソンの名をとって、ボリス・バイクと呼ばれています。普通の貸し自転車と違い、借りた場所に自転車を戻す必要がなく、ロンドン中心地に点在するドッキング・ステーションのひとつに戻せば良いというのが便利。市内、ひとつの場所から別の場所への移動に、バス、地下鉄を使う代わりに、ボリス・バイクで行こう・・・となるわけです。

パリでは、ロンドンより前から、こういった貸し自転車システムが導入されており、ロンドンも遅ればせながらのスタートとなりました。当初は、失敗するのではないかという噂もあったのですが、どうしてなかなか、着実に使われているようです。写真の様な、ドッキング・ステーションも、車道を果敢にボリス・バイクをこいで突っ走っている人も、徐々に、見慣れたロンドンの毎日の光景と化していっています。ドッキング・ステーション、バイクともにカナダ製。ロックのシステムは、パリのものよりも優れていて、盗まれる心配は少ないと言います。

現段階では、使う前にオンライン登録が必要で、ふいっと思い立って乗る事はできません。お値段は、まず、1日、1週間、1年など、期間によって、アクセス料金(例:1年は45ポンド)を払い、その後、使う度、使用した時間に応じて料金が取られます。30分までが無料、1時間までは1ポンド、1時間半は4ポンド、云々といった感じ。

昨日のイブニング・スタンダード(ロンドンの地方紙)によると、今のところ、9万4千人のロンドナーが、ボリス・バイクに登録し、週日1日の平均使用回数は約2万回(自転車1台につき約3回以上使用される計算)、ほとんどの使用が短時間で、93%の使用が30分以下の無料ライドだそうです。そして、ボリス・バイク使用者の5人に1人は、今までロンドンでサイクリングをしたことがなかった人。ロンドンのサイクル熱を上げるのに貢献している模様で、自転車ショップが繁盛しているとか。これをきっかけに、「自転車に乗ろうと」と思う人が増えている、それは、これからの世の中、良い傾向でしょう。でも・・・


ハイド・パークやケンジントン・ガーデンズなどの公園内なら、私もちゃりで、と思ったりもしますが、ロンドンの道路を走るのは、臆病な私には、ちと怖いものがあります。先日も、やはり、イブニング・スタンダードに、ノッティング・ヒルの車道で、トラックの下敷きになって死んだサイクリストの話を読んだばかり。また、暗闇の中で車道をこいでいたところ、溝にタイヤを取られ、空中に放り出され落ち、額を何針か縫った知人の話を聞いたり、また、ロンドンに来たばかりの頃に知り合った日本人女性が、買ったばっかりの自転車で走っているとき、2台の車に挟まれ、本人、無傷で助かったものの、自転車はべしゃんことなった時の事を思い出したりすると、ボリス・バイクも、私はしばらく遠慮します、と思う次第。

ロンドンのゾーン1は東京などに比べ、比較的小さく、がんばれば、端から端まで歩ける距離。実際、地下鉄ストの時などは、かなりの距離をざくざく歩いたりしています。いや、スト以外でも、2,3駅区間なら、平気で歩いてしまう。

早くアムステルダムのように、自転車専用の安心して走る事ができるサイクル・レーンができないものか。現在のこちらの車道のサイクル・レーンときたら、一番危ないところ、一番安全なレーンが欲しいところで、いきなり忽然と消えるので、お話にならないのです。私の様な、基本的には、ちゃりで走りたいけれど、車道が怖くて走れない人は、かなりの数いると思うのです。そういう人達が、安心して乗れるような環境が出来たら、これは、本当の自転車革命となるでしょう。

ボリス君、早く、ロンドンをそうした自転車フレンドリーで、グリーンな町にしてちょうだいな。そうしたら、私も、歩くのに飽きたら、ボリス・バイクにまたがって、ゴー!なのです。

ボリス・バイクのサイトは、こちら。現行の料金や、利用方法が確認できます。

コメント

  1. 頑丈そうな自転車ですね。もちろん高さの調節は簡単にできるのでしょうね。でないと足が届かない人がいたりして。今頃はロンドン滞在中かもしれないらぶさん、試してくるでしょうか。車道を走る自転車は車のドライバーにとっても要注意で時々怖い思いをします。雪が降っても自転車に乗ってる人がたまにいるんですよね・・・。

    返信削除
  2. こんばんは
    今日も日中は熱かったです。秋はまだのようです。
    自転車の事はテレビでもとり上げていましたよ。なかなか好評のようですね。自転車は田舎では中学生、高校生の通学手段です。私も女子高生のころ自宅から学校まで吹っ飛ばしてました。遅刻しそうで、いつもです。娘も友達が迎えに来て、いっしょに飛ばしてました。雨の日は大変ですが、楽しい時間だったようです。娘も都会に就職して、家におりませんので、自転車は乗る人もいなくなりました。先日、廃品回収に出してしまいました。ちょっと寂しかったです。

    返信削除
  3. アネモネさん、
    高さの調節をどうするかは?ですが、調節できないと、私も足届かないでしょうね。今度、近くでまじまじ見てみます。
    この国は、指定されたサイクルレーン以外では歩道を走るのが違法だと思うので、ロンドンの様に車の運転が荒い都市は、慣れていない人が自転車で行くのは、危ない気もします。雪の中のちゃり、怖いですね。私、凍結した道で転んだことあります。歩道脇のサイクルレーンだったので、轢かれずに済みました。

    返信削除
  4. せつこさん、
    こちらも、秋晴れの良いお天気でした。
    私は、ドライブはだんなまかせで、自分はしないので、自転車フレンドリーな町作りは大賛成です。日本人の自転車使用量、かなり大きいはずですよね。学生もそうだし。駅にある自転車置き場にとめてある自転車の数、かなりです。ただ、こちらでよく見る、本格的道路用のものより、ママちゃり風のものがほとんどのようですが。
    私も、しばらく乗ってない自転車が、庭の小屋で眠っています。

    返信削除

コメントを投稿