「癒しの子育て」「親育ち」をアドバイス ぴっかりさんのすくすく道場

195.「死ぬ」「殺す」など暴言を吐く4歳の息子

かっぱさんからの相談 4歳6ヶ月の男の子

1ヶ月程前から「死ぬ」「殺す」という言葉を使うようになりました。簡単に使っていい言葉ではないと注意したのですが、使うことが悪いと理解しながら止められないようです。「ママ死ねばいい」というようなことを繰り返し言います。
また以前、女の子のスカートをふざけてめくろうとするのを注意したのですが、きつく叱り過ぎたようで、やってもいないのに「あの女の子のスカートの中を見ちゃった」など、妄想のようなことをやはり繰り返し言います。また時期を同じくして、トイレが神経質になり、今はだいぶ減りましたが、「お尻が汚れてないか見て」と言って外でもズボンを下ろそうとしたりしていました。
甘えたい裏返しなのかと思い、できるだけ怒らないように穏やかに対応しようと心がけているのですが、それで良いのでしょうか。一向に治らないので、もしかして精神的な病気なのか、医療機関に相談に行った方が良いのか悩んでいます。

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ぴっかりさんからのアドバイス

「死ぬ」「殺す」の裏にある気持ち

「死ぬ」「殺す」といった言葉は、簡単には見過ごせませんね。悪いと分かっていながら止まらないような場合、いったい子どもの心の中で何が起きているのでしょうか。それは一口で言うと、「自分に対する自信のなさ」です。詳しくお話ししましょう。

お子さんの年齢的に見て、「赤ちゃんからお兄さんへ」と変身を遂げていく時期ですね。この時期には、「かっこいいお兄さんになりたい」という成長欲求が強くなり、チャレンジ精神が旺盛になります。そのぶん、生意気なことも言うようになるものです。

ところが、「お兄さんになりたい!」という気持ちが大きくなる時期には、一方で、「お兄さんになれるだろうか」という不安もふくらんでいきます。そして、正反対の2つの気持ちがカットウすることが多くなります。

未熟な自分を責めたくなる

自分に対する自信のなさや不安は自分のせいですから、「ボクのばか!」と自分を責める気持ちになって当然です。でも、まだまだ未熟な年齢ですから、自分自身を責めていたらきりがありません。それに、成長欲求がしぼんできてしまいます。

そこで子どもは、「『自信のなさを』ママのせいにする」ことによって、成長欲求をしぼませないようにするのです。反抗期の子どもの「ママのばか!」という言葉は、本当は、「ボクのばか!」なのです。「『ボクのばか!』と言ってしまうとつぶれてしまうので、ママのせいにさせてもらいます。ママ、ごめんね」なのです。

ですから「ボクなんか死ねばいい」と言っていた子どもが、「ママ死ねばいい」という形で怒りをママにぶつけ始めたとしたら、それは良い方向に向かっている証拠。ちょっと人聞きは悪いですが…。

だいじょうぶだよと受け止めてあげる

やってもいないのに「スカートの中を見ちゃった」というのは、「ボクはまた失敗しちゃうかも」という不安な気持ちの表れでしょう。トイレに関する神経質さも、失敗していないかが心配なのでしょう。

1ヶ月程前から「死ぬ」「殺す」という言葉を使うようになったということですから、ひょっとしたら1ヶ月前に、お子さんの自信がくじけるような出来事があったのかもしれません。もし思い当たることがあるのなら、そのことについてなぐさめてあげるといいですね。

いずれにせよ、今のお子さんは、自信を失いかけていて不安でいっぱいなのではないでしょうか。だとしたら、だいじょうぶだよと受け止めてあげ、安心感を回復してもらうことが先決だと思います。自信が復活していけば、困った言葉も自然に減っていくはずですよ。

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