◯ 本日、知人の結婚式に出た。知人がいない結婚式だったが、その分知らない人といろいろ話ができた。新婦が女性起業家支援を熱心にしている人だったので女性起業家がたくさんいて、どの人も興味深かったがその中でもマグロの卸をしている社長令嬢には特に目を引いた。きっと彼女は将来有名になるかもしれない、なるかどうかは別にしてもグレイトになるだろうと思った。またそのようにツイッターでツイートをしたら、大学生の女性から「なぜそう思ったか教えて欲しい」と聞かれた。その答えはとても140字でまとめられないし、自分でも思考をして興味深かったので(自分の思考が)ブログに書く事にする。

◯ 年に何回か必ず絶対この人は将来大成するだろうと思う人にお会いする。そして果たしてそのようになる。たとえば1994年の時にお会いしたユニクロの柳井さん、1995年の孫さん、96年のワタミの渡邊美樹さん、97年の日本電産の永守さん、98年のドンキ・ホーテの安田さん、ゴールドクレストの安川さん、1999年の楽天の三木谷さん、サイバーエージェントの藤田さん、2000年の堀江さん、2001年のDeNAの南場さん、2001年のレインズの西山さん、、、、などなど。同様に2008年のスタートトゥデーの前澤さんもそう思った一人。

◯ まあ他にもたくさんいるけど、でも正直に話をするとそれほど私に未来や将来を見通すチカラがあるとは思えない。というよりも私は未来は見えていない。一寸先は闇ということはかなりわかっている。未来を予測できると思うことは傲慢でしかないと思う。ただ言えることは、「彼らはその時から偉大だった」ということがいえる。要するに会社はまだ大きくなかったり有名でなかったりしているだけで、彼らはもうその時期に既に「偉大」なのである。要はもう全然他の人と違うのだ。そしてそれは「会えばわかる」という話なのである。ところが多くの人は他人が賞賛するものやメディアに賞賛するのをみて始めて賞賛する人が多い。要は今見た通りに判断すればいいのだが、今賞賛されていないものを認めるものをただ恐れているだけなのではないかと思う。

◯ 将来凄い人になるかどうか、どのような経験を積んでいくのか、そしてそれはどのような形で実を結び、そしてどのような発展を遂げるのかというのはわからない。なぜなら未来は予測できないからだ。そして彼らにも明確に予想出来ているわけでもないだろう。

◯ 「偉大」さとは何かだが、それは1)それまでの豊富な経験とそこからセオリーを導き出すチカラ 2)自分の将来に対する確固たる自信と自己承認。 3)思ったことを思ったように行動して、かつそれを修正していくチカラ 4)人としての魅力さやチャーミングさ 5)あくなき好奇心 6)噴出するエネルギーで人を巻き込むチカラ などである。

◯ 要はかなりGAPがあるのである。彼らは実は相当自分にその当時から自信があるしそして自信通りの結果になっていないことにはややイラつきがある。要はもうすでに自分は他に対してグレイトであるという自負はすでに確立されているのだ。その承認は完全に自己承認感しかない。少なくとも他人からの承認感から自己承認が生まれていくのではなく、そのような人にとっては他人からの承認はむしろ暴走させる悪い材料になることが多い。他人がどう言おうとも彼らはグレイトなので、ちょっと嫉妬や批判多めくらいの方が丁度いいくらいだ。過剰な承認はむしろ失敗への序章になることが多い。

◯ そのような人たちはよい意味でも悪い意味でも「ヘンキョウ」の人たちなのであることが多い。地方出身者であったり、両親が貧乏だったり、人種の悩みを抱えていたり、ある種の学習障害であったり、高校や大学で放浪経験があったり、「辺境」の人であることが多い。またある種のパラノイア「偏執狂」であったり、周囲の「偏狭さ」との戦いをしている人が多い。日本では東側よりは京都以西の西の人が最近では多いようだ。

◯ 今日、会った女性も焼津市と高知市に基盤がある。「地方」出身者で「女性」である。「地方」で「女性」であるだけで残念ながら今の日本ではまだまだ異端だ。ところが彼女と話をしていると、商売の基本をしっかりと持っていて、かつビジネスの中身を詳細に把握して、次に行くべき課題や方向性をしっかりと認識をしていた。それよりも、彼女の中に前出の「偉大さ」をいくつか感じ取ったのが大きかった。32歳であるが、私が会った当時の過去の経営者もそのくらいの年ですでに「偉大」であった。そしてそれは未知なる可能性ではなく、今あるその人の能力である。そして野心あるものに取って大いに励みになると思うのはそのような野心を持って努力をしている者が日本ではあまりいないこである。これが今の中国や米国であったらそのような野心を持っているのはデフォルト状態なのであるが、今の日本では必ずしも標準装備ではない。少なくとも「日本国内で」勝ち抜くには十分な素養なのだ。そしてそれは今は十分に評価をされなくても必ず評価をされる。

◯ 裏をかえせば、日本で成功するものを探すのはできても世界のスケールで活躍できるかどうかは保証はできない。その点が残念に思うところである。日本のベンチャー投資の今の大きな課題でもあり、それを十分に乗り越えられているとはいえない。

◯ 未来は読めない。しかし今のグレイトなものはわかる。そして今有名でないグレイトなものを探すには無駄打ちを恐れず話をしたりする機会を増やすしかないのである。もちろんその確率をあげるためのメソドロジーも必要ではある。とはいえ、無駄打ちを恐れず回ること価値がある。過去、この人に投資をしようと思って悩んだケースはやっぱり成功しなかった。会った瞬間もう投資せざるを得ないと思うほど興奮する。そのような感覚が湧き上がる時はだいたい大きく成功する時だ。

◯ 何にせよ無駄打ちの旅をもっと続けよう。それしか発見はない。