たしかにHDR使うと見事な写真がとれるかもしれませんが、この写真は使っていません。ごくごく普通に撮影、まさに一瞬を切り取った奇跡の一枚なんです。撮影した写真家 Isaac Gutiérrez Pascualさんによると、
撮影技術なんて、特にないよ。自分のキヤノン 5Dに キヤノン EF70-200 2.8 ISレンズを装着。Sekonikの光量計を使ってカメラのISOを320、f5.6、シャッタースピードは1/320にセット。あとはRAWで撮影してもってきただけ。
えっ、そんな撮っただけなんて。フォトショップやHDRといった後処理は一切なし。デジタル技術の恩恵なしにこれだけの素晴らしい写真がとれたのは、スペインのコルドバという場所のマジックのよう。
先週の9月11日、コルドバの自然保護地域である Los Sotos de la Albolafiaにいたんだ。嵐がくるような湿気と風を感じて、そろそろ夏の終わりだなあ、と思ったよ。空には大きな鉄床雲、寝床に帰ろうと鳥の群れが飛んでいたんだけど、ふと金星が雲に隠れているはずだと気付いたんだ。それからしばらくして予想通り雲から金星が現われて、その瞬間にシャッターを切ったんだ。案の定数秒後には隠れて消えてしまったよ。
ほんと、いい時間、いい場所にいたと思うよ。それがなによりだからね。
ほんと、そう思います。
Jesus Diaz(原文/野間恒毅)