【コラム】出世街道を進んだヒトが大した業績を出せない理由

【コラム】順風満帆な出世街道を進んだヒトが後半大した業績を出せない理由

上司のパワハラアカハラ、セクハラの話はよく聞きますが、逆にとんでもない素晴らしい上司の話を日本で聞くことはあまりありません。
噂話になるくらいだからかなりとんがったヒトじゃないと話題に上らないというものあるかもしれませんが、ほとんどの上司が良くも悪くもないといった可能性もあります。

一方、海外や国内でも外国人のCEOにはとんがった人が多いです。
日本にはリーダーがいないと嘆くのもこれと対をなす話です。


日本ではほとんどの組織で年功序列が維持されていました。
下っ端で良い仕事をした人間が、次の階級に上がれて、その階級で良い仕事をした人間が次の階級に上がれます。

実はこの仕組みは結構博打なシステムなんです。というのは、その人が上の階級のリーダーとして十分な資質をもっているかどうかはやってみないとわからないからです。
上司になってみて、必要なことはなってみてから勉強し直す、もしくは経験しながら勉強していくことがほとんどだと思います。
この時、その職務に最も適したヒトかどうかはどうやったら判断出来るでしょうか?
候補のヒト全部に一度やらしてみることですよね。

アメリカのアカデミアでは何故30代前半でPIになれるのか?
シリコンバレーでは何故20代で会社を興す人が沢山いるのか?

その職務に最も適したヒトかどうかはやらしてみないとわからないからです。
そして、その適性があるとわかったら、徹底的にお金を投資します。アカデミアなら研究費を投資します。

最も適正のある人間にお金を最大限投資するこれこそが最も生産性を上げる方法です。
イノベーションも大事なのですが、イノベーションは最初に平たくみんなに挑戦させたときにその兆候をしっかりと目を咲かせられる確率が上がるからそれもサルベージできます。
通常ならそんなチャンスも与えられず、全く日の目も見ずに沈んでいくだけですから。

要するに、
社員と社長は別の仕事
校長と先生は別の仕事
病院長と医師は別の仕事
PIと実際に実験をするポスドクは別の仕事

だということです。
その職務で判断する事項、条件、考える範囲、それら全てが全く異なるのです。
一つ下の階級で良い仕事をしたからといって、その上の階級で良い仕事を出来る確率は確かに全く何も比べる事項がなければ、比較的効率的ですがベストではありません。

では、どうしたらよいのでしょうか?

以前、書きましたが、願いは必ず叶います。
【コラム】願いは必ず叶う
http://plaza.rakuten.co.jp/amoknoan/diary/200909140000/
【コラム】「願いは必ず叶う」の注意点
http://plaza.rakuten.co.jp/amoknoan/diary/200909200000/

つまり、社長になりたければ、社長になれば良いんです。
校長になりたければ、校長になれば良いんです。
病院長になりたければ、病院長になれば良いんです。
PIになりたければ、PIになれば良いんです。

いや、そんなの無理じゃんと思いましたか。
でも、たぶんこの方法が一番早く、かつ成功する方法です。

まずは、なりたい最終的なポジションの仕事で必要なことを最初にそれを志したときから取り組むことです。
孫社長のパワーは凄いなと感じた人も多いでしょうが、彼も16歳の頃からすでにそのための努力をしています。

一番上に上り詰めたヒトで幸せそうに見えるヒトとそうでないヒトがいる理由もここにあります。

最初から社長になるんじゃなくて、社長として何をするかを考えて若い頃から頑張ったヒトが幸せそうに見えるヒト。
とにかく出世がしたかったというヒトが、幸せそうに見えないヒトです。

よって、もし、若くして狙ったポジションを得られるチャンスがあったならどんなに小さな立場でも挑戦するべきです。そして、それまで勉強していたことと現実のギャップを埋めていくのです。そうすれば、自ずと最初に狙っていたポジションが向こうからやってくるでしょう。

ちきりん氏が書いている、4から這い上がる方法の一つがこの方法でしょう。
http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20100914