マーケティングって何だろう?しかしその前に「顧客の十戒」にビンタしてもらいましょう。 | ★渋谷でうごめく老舗文具店ウェブマスターの企み

マーケティングって何だろう?しかしその前に「顧客の十戒」にビンタしてもらいましょう。

大きな会社と、小さな会社では、マーケティングの意味合いはちょっと違ってくると思います。わたくしは、大きな会社のマーケティング戦略などについてはよく知りませんので、あくまで等身大の、小さな会社のマーケティングという視点で今後も書かせていただきます。


しかし!


その前に、まず商売人なら叩き込んでおかねばならない下地というものがあります。本日はそれをご紹介したいと思います。よく、「顧客視線で考えろ」なんて言いますが、どこまで考え詰めたことがありますか?


「自分がモノを買うときの気持ちで考えればいいんでしょ?」


そう、確かにそうなんですが、そんな風にぼんやりと考えているとしたら、次の文章に衝撃を受けるでしょう。わたくしは頭をガツンと殴られたような気がしました。(小笠原昭治さんのインターアクティブマーケティング のコンテンツより)


【顧客の十戒】

一、[選択権] 私には、選ぶ権利があります。しかし、あなたから買う義務はありません。

二、[顧客満足] 私は満足したいのです。満ち足りることができれば、どこの何の商品であっても構いません。

三、[接触] あなたのことを忘れても、私を責めないで下さい。自分と家族のことは忘れませんが、他人のことは忘れてしまいます。

四、[差別化] 私は常に、あなたから買おうか、他から買おうか、迷っています。あなたから買う理由がなければ、私はあなたから買わないでしょう。

五、[顧客興味] 私は、何らかの得をしたいと思っています。あなたに得させる目的で、あなたから買おうとは思いません。

六、[人柄の付加価値] 私は自動販売機から買うのではありません、あなたから買うのです。その違いは何かを知って下さい。

七、[コンプライアンス] 私をだまさないで下さい。もし、だまされたと知ったとき、私は絶対あなたを許さないでしょう。

八、[顧客心理] 私は人間ですから、理性と感情があります。知らないものは警戒するし、怪しいものは近づけません。その逆も然り

九、[顧客とのスタンス] 金の切れ目が縁の切れ目といいます。あなたが欲しいのは顧客なのか、お金だけなのか、私は見抜きます。

十、[NeedsとWants] 私に24時間必要なものは、空気と健康だけです。それ以外は、必要なときに、必要なだけあれば充分です。


【顧客の十戒:企業間取引編】

一、当社は感情で御社の商品を買うのではありません。御社の商品やサービスを買えば、どんなメリットがあるのか、理路整然と具体的に教えて下さい。

ニ、売ろう売ろうと説得しないで下さい。ましてや議論など以てのほかです。議論に負けて御社の商品を買うことなど有り得ません。説得や議論の前に、御社の商品で「当社の何を解決できるのか」わかって下さい。

三、御社の商品の強みは何ですか?同業他社が売っていない魅力は何ですか?御社の商品を買えば、どんな良いことがありますか?それが分らなければ御社の商品を買う必要があっても、相見積りで、安いところへ発注します。

四、365日の中の一日の、その一日の中の約30分、初めて会っただけで、当社が御社の商品を買う可能性は著しく低いと考えて下さい。もし即決で買うとしたら、その商品を当社が求めていた時だけです。

五、しつこく面会を求めないで下さい。時は金なり。当社の社員の給料を時給換算すると1分たりともムダにできません。仮に、当社にメリットがあるのでしたらお会いしますが、意味のないアポイントは、時間という金銭を消失せしめている事実に気づいて下さい。

六、会うたびに「買って!」「買って!」「買って!」と、駄々っ子のように強請(ねだ)られても、買わないものは絶対に買いません。売るばかりが営業の仕事ではないことを知って下さい。

七、決算月とか強化月間とか、御社の内部の都合で売ろうとしないで下さい。当社に大切なのは当社の都合であって、御社内の事情など、当社には一切関係ないのですから。

八、売ったあとは、知らぬ存ぜぬですか?無論それでも構いませんが、御社の商品で当社の何を解決できたか気になりませんか?少なくとも、当社から御社へ、購入後のその後を報告する義務など無いことだけは確かです。

九、当社が御社を忘れても、当社を責めないで下さい。御社が顧客を忘れないのと同様に、当社も顧客は忘れません。が、顧客でなければ忘れてしまいます。御社を忘れるかどうかは、もちろん、御社次第です。

十、当社も法人ですから、常に何らかの問題を抱えています。その問題を御社が解決できるとき、当社は諸手を広げて御社を歓迎するでしょう。


以上です。
ぼんやりしていた頭が冴えたでしょうか?ここまで明確に、はっきり顧客視線を書いた文章はないと思います。そして、そのどれもが紛れもない事実であり、そのことを甘く考えていたマーケティング担当者の背筋に寒いものを走らせるでしょう。


結局、多くのマーケティング理論というのは、「お客様に何とか買わせる」ための知恵や仕組みだったりしますが、根本の意識をまずここに根付かせないと、所詮空回りというか、本当の商売ではありえません。
忘れたころに読み直して、気を引き締めたい十戒です。


【おすすめ書籍】
上記、小笠原昭治さんの著書です。


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