ITエリート育成、小中高生1000人に特別講座 文科省
情報通信技術(ICT)で世界をリードする人材を育てようと、文部科学省は小中高校生に高度なプログラム作成技術などを教える特別講座を2012年度に創設する。大学や企業に運営を委託し、年1千人規模の受講を目指す。インターネットやパソコンがある環境で生まれ育った子供の能力を引き出し、将来の日本を支える"ITエリート"を輩出する。
創設する特別講座「デジタルネイティブ登竜門」の対象は、小学校高学年から高校生。学校の夏休みや冬休み期間中に複数回にわたって集中的に開く。1年限りにはせず、3年程度は続けて講義を受けられるようにする。
教えるのはコンピュータープログラムやデジタルコンテンツの制作方法など。ICTの基礎知識は身に付けている子供を対象とし、そのうえで高水準の内容に絞って教える。
運営は各地の大学や企業に委託し、一線の研究者が子供たちを直接指導できるようにしたい考え。受講を有料にするかは今後検討する。
学識経験者と情報産業、ICTに関連した非営利組織(NPO)などを集めた協議会を11年度に設置。具体的な指導内容や教材、受講者の選抜方法などを決める。11年度の概算要求に経費6500万円を盛り込んだ。
幼少時からパソコンや携帯電話などに囲まれた環境で育った現代の子供は「デジタルネイティブ」とも呼ばれ、ICT機器を活用する力は高いとされる。
11年度以降に全面実施される新学習指導要領でも小学校段階からICTを活用する力を育てることが明記されているが、文科省は「素質がある子をさらに伸ばす仕組みをつくり、国際的な競争力の強化につなげたい」としている。