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あなたも作れる!? トコトコ歩くiPhone 4&iPad

» 2010年07月09日 18時45分 公開
[岡田有花,ITmedia]

 iPhone 4と3GS、iPadが“3人”で並んで歩く――こんな動画がYouTubeで公開されている。


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 3台の画面にはそれぞれ、クリクリした大きな2つの目が。画面をタッチすると背面に備えた2本の足が本体を持ち上げて立ち上げ、体を左右に振りながらゆっくり歩く。大きな体のiPadと小さなiPhoneが並んで歩くさまは、まるで父と子どものようだ。

 動画を投稿したのは、米国シリコンバレーに住むソフトウェアエンジニアの寺崎和久さんだ。寺崎さんは以前から、iPhoneやiPadを歩かせ、その様子を動画にして公開してきた。「iPhoneやiPadで物を動かしたりするのって、想像するより簡単と知ってもらいたくて」――寺崎さんは狙いをこう話す。

iPhoneが歩いたらなんか面白くね?

 「iPhoneが歩いたらなんか面白くね?」

 iPhoneをPCと有線接続し、初めて“歩かせた”のは2008年。その様子を面白おかしく撮影・編集した動画は20万回以上再生されたが、目標のミリオンヒットには届かなかった。「ミリオンヒットすれば、アイデアをどこかの会社に売ろうと考えていた」

画像 ロボはWWDCで大人気に

 今年に入り、PCレスで動くスタンドアロンのiPhoneロボも製作。iPad版も作り、6月に開かれたAppleの開発者会議「Worldwide Developers Conference」(WWDC)野外パーティーで“突撃デモ”したところ「えらい反響だった」という。iPhone 4も発売直後に手に入れ、早速歩かせた。

 プログラムからハードまで、寺崎さんの手作りだ。スタンドアロンのiPhone/iPadロボは、秋月電子のマイコンキット「AKI-H8/3664」(Renesas H8/3664)、ラジコン飛行機用リチウムポリマーバッテリー(7.4V 700mAh)を搭載。サーボモーターは、iPadが「Futaba S3003」(1000円前後)、iPhoneは、共立電子のロボットキット「プチロボ」のもの(E-Sky製「ES070A」)を流用している。プチロボは、寺崎さんが2003年の「ROBO-ONE」に出場した際のロボットをベースに作られたキットだ。


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ヘッドフォン端子で通信 アイデア次第であなたのiPhoneも“ロボット”に

 通信にヘッドフォン端子を使ったのがキモだ。iPhoneと外部機器との通信は、iPhone底部にあるDocコネクタで行うのが一般的だが、Docコネクタを利用する場合はAppleと秘密保持契約(NDA)を結ぶ必要があるなど、個人の趣味の範囲で行うのは難しい。一方、ヘッドフォン端子経由ならNDAも不要。個人でも気軽に、iPhone/iPadとハードをつないだアクセサリーを開発できる。


画像 iPhoneをロボットに サウンド・モデム・プロジェクト

 通信に使ったソフトウェアモデムは、友人に作ってもらったWebサイト「iPhoneをロボットに サウンド・モデム・プロジェクト」で公開中。このモデムを使えば、iPhoneを接続できるさまざまなアクセサリーが開発できる。例えば、iPhoneにスイッチを接続して早押しマシンにしたり、ブザーを接続した上でTwitterと連携させ、リプライが来たらブザーが鳴るようにする――など、アイデア次第だ。

 歩くiPhone/iPadロボは、そういった可能性を示すためのデモ。動画に刺激を受けたエンジニアが、「自分もやってみたい!」と思ってくれることを期待している。

 「iPhoneとかiPadにいろいろなハードウェアがつながったらなんか面白そうでしょ。そういうのを加速できれば。ソフトウェアは作れるけどハードはちょっと……という人たちも、それぞれのアイデアで、iPhoneやiPadにいろいろなものをつなげてほしい」

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