スパコン、世界一になりました 省エネですが…
東京大学と国立天文台が共同開発したスーパーコンピューター「GRAPE-DR」が、省エネスパコンランキング(2010年6月版)で世界1位になった。東大などが6日発表した。電力あたりの演算性能が、従来の首位だったドイツの研究機関を約5%上回った。スパコンは性能向上に伴う消費電力の増大が課題となっていた。
GRAPE-DRは天文研究用に開発されたスパコンで、電力1ワットあたり8億1500万回の演算が可能。米大学のグループが年2回公開する省エネスパコンランキング「リトルグリーン500」で首位に選ばれた。
独自のチップを開発し、その他は汎用品を使うことで開発費を抑えながら省エネ化を実現。最近のスパコンでは運転や冷却にかかる電気代が年間数億円を超えるものもあるという。国立天文台の牧野淳一郎教授は「銀河形成や星の運動のシミュレーション(模擬実験)に活用していきたい」と話す。