「トップマウント構造」こそ、原音忠実再生の切り札

音筒の先に小型・高性能「マイクロHDユニット」を配置させた「トップマウント構造」
音筒の先に小型・高性能「マイクロHDユニット」を配置させた「トップマウント構造」
トップマウント構造の密閉インナー

 そこで今回、ビクターが『FXC71』と『FXC51』で取った戦略はユニットを大きくすることとは逆転の発想。ユニットに使われるのは、口径5.8mmと大幅に小型された高性能のドライバーユニット「マイクロHDユニット」である。これをヘッドホンの音筒の先端に配置させた「トップマウント構造」と呼ばれる独自方式を採用した。

 「トップマウント構造」が生み出す効果は、大きくわけると3つある。

 まず、第1は、高音質再生。テレビでもハイファイスピーカーでも、どんなスピーカーユニットであれ、音の発生源に近づけば近づくほど、音を妨げる物体は少なくなるため、音そのものが、雑味が無くピュアに聴こえてくる。「トップマウント構造」は、まさにここに着目した発想であり、従来のインナーイヤーヘッドホンよりも、耳穴のより奥深くにドライバーユニットを差し込むため、当然、ユニットと鼓膜の距離が近くなるから、鮮度の高い高解像度なサウンドが聴けるようになるのだ。

 2点目は、遮音率の高さ。構造的に耳穴に深く装着できるので、音漏れが抑えられるとともに、外部の音の遮蔽率が向上する。結果として、ボリュームを抑え、小さな音でも音楽に没入できるようになるのもメリット。音を大きくすることは振動板に負担を掛けることにつながるが、小音量再生なら振動板に負担を掛けずに、より音圧の高い音質で再生できる。

 3点目は、優れた装着感。耳穴深くに差し込めるので、小さな耳の人でも耳穴にしっかり収まり、外れにくくなる。耳穴にやわらかくフィットするイヤーピースや、ラバーパットを採用していることも、優れた装着感を得られる要因だ。

 「トップマウント構造」では通常の密閉インナー型よりも、耳穴により深くドライバーユニットを差し込むことが可能。外部からの音を遮蔽すると同時に、高解像度の音質で再生が可能となる。

 これまでビクターが開発してきたオーディオ製品の歴史を振り返ると、常に、アーティストがスタジオで録音したマスターテープの原音をいかに忠実に再現できるかという思想が背後にある。この独自の「トップマウント構造」で高音質再生を実現するヘッドホン設計を戦略モデルに投入したことは、その『原音探究』の姿勢から考えると必然なのかもしれない。

 この6月に発売されたばかりの『HA-FXC71』と『HA-FXC51』は、実は08年に発売された『HP-FXC70』、『HP-FXC50』の後継モデル。前モデルの特徴を引き継ぎながらも「より迫力のある高音質再生」を目指している。進化点としては、まず「マイクロHDユニット」の振動板に、新たに「カーボン素材」を採用したことが上げられる。比重が軽く伝搬速度が早い音響特性を持つカーボンに変えたことで、よりクリアでダイナミックな低音が再生されるようになったそうだ。

トップマウント構造の密閉インナー

 振動板には強靱で剛性の高い素材「カーボン」を採用。特に低域について、高い周波数特性が得られるようになった。

 上位モデルの『FXC71』では、素材だけでなく、構造にも新たな工夫が加えられた。ステンレス素材のメタルハウジングを使用し、さらに、比重の高いハウジングとブラスリングを内蔵した「デュアルシリンダー構造」を採用。両者を組み合わせることでヘッドホンの内部で生じる不要な振動ロスを低減。制振性を高めることでクリアかつ臨場感あふれる音質再生を実現しているという。
 また、ボディ内部に制振ジェルを組み込み、さらにコードにはクリップを付属させることで、ケーブルからヘッドホンに伝わる不要な振動やタッチノイズまで抑えられている。

 カラーリングは『FXC71』がブラック、ホワイトの2色。『FXC51』はブラック、レッド、ホワイトの3色が用意されている。コンパクトサイズで、実にスタイリッシュな印象だ。出力音圧レベルは102dB/1mW。再生周波数帯域は『FXC71』が 8Hz〜25kHz。『FXC51』は10Hz〜24kHzとなっている。ケーブルは1.2m。重量は『FXC71』が 6.2g。『FXC51』が4.4g。シリコン製のイヤーピースがS/M/L、3サイズを同梱している。

『HA-FXC71』ブラック、ホワイト

『FXC51』ブラック、レッド、ホワイト

 というわけで、さっそく試聴にトライといきたいのだが、興奮しすぎて前説だけですっかり長くなってしまった。今回は聴きたい気持ちをグッとこらえて、次回、『FXC71』、『FXC51』の実力を、じっくりと体験してご報告します。

HA-FXC71/51 スペシャルサイト
製品スペック紹介
HA-FXC71

再生周波数帯域:8Hz〜25,000Hz
質量:6.2g(コード含まず)
コード:1.2m(Y型)、φ3.5mm 24金メッキステレオミニプラグ付
付属品:シリコンイヤーピースS、M、L 各2個、 コードキーパークリップ、キャリングポーチ

詳細はこちら

HA-FXC51

再生周波数帯域:10Hz〜24,000Hz
質量:4.4g(コード含まず)
コード:1.2m(Y型)、φ3.5mm 24金メッキステレオミニプラグ付
付属品:シリコンイヤーピースS、M、L 各2個、 コードキーパークリップ、キャリングポーチ

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著者プロフィール

ホリー・ポッター
テレビやレコーダー、ヘッドホンやオーディオ機器など、AV全般に精通したライター。オーディオ専門誌の編集から独立、フリーライターに。どれだけ楽しく使えるかという視点で商品を開設。難しい技術を猿でもわかるように、が信条。編集プロダクション、ディー・ファンク代表取締役。

提供:日本ビクター株式会社
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