保護者望む子ども像、指導力より協調性
「自分の意見言えなくなる」との指摘も
国公立の幼稚園に通う子どもを持つ保護者に「理想の子ども像」を聞いたところ、ほぼ全員が「人に迷惑をかけない」など協調性を求めたのに対し、「リーダーシップがとれる」とした保護者は約半数にとどまったことが8日、全国国公立幼稚園長会が実施した調査で明らかになった。
岡上直子会長は「最初から協調性ばかり求めると、成長した時に他人の意見ばかり気にして、自分の意見が言えないようになる恐れがある。幼いころは個性を伸ばしてぶつけ合い、その結果として、他人を尊重する気持ちを持てるようにするのが大切」と話している。
調査は子どもの規範意識育成に対する保護者らの認識を探るため昨年10~11月に実施。全国の保護者約3千人や教員約1100人が回答した。
子どもの理想像(複数回答)では、「人に迷惑をかけない」のほか「礼儀作法をわきまえる」「ルールや決まりを守れる」という項目で、「そう思う」「ややそう思う」と答えた保護者が合わせて98~99%に上った。
一方、「リーダーシップをとれる」は合わせて54%、「人より秀でたところがある」は同じく59%だった。
保護者には子育て方法(同)も尋ねた。「悪いことは悪いとはっきり言う」と答えたのは89%で、「比較的よくほめて育てる」としたのは38%。
子育ての向き不向きの認識では「向いている」としたのが13%、「向いていない」は33%。子どものしつけについて79%が「自分以外の大人に登場してほしいと思う」としており、不安を抱えている姿も垣間見えた。
保護者と教員の意識のずれも浮かんだ。子どもに年齢相応の規範意識が身についているかとの質問では「とてもそう思う」「まあそう思う」とした保護者は合わせて79%だったが、教員は55%。
公共マナーへの意識でも「電車の中で化粧」を「気にならない」と答えた保護者は23%で、20代(約280人回答)に限ると37%。これに対し教員は12%だった。〔共同〕