2010.11.09
4,800人以上を性感染症検査に走らせたMTVのコーズマーケティング施策
「人を動かす」位置情報サービス「性感染症検査センター」というと、決して自ら進んで足を運びたい場所ではないでしょう。
MTVが2009年10月に行ったキャンペーンは、そんな性感染症検査センターに4,800人もの人々を訪れさせることに成功しました。今回の記事ではこの画期的なキャンペーンについて読み解いていきたいと思います。
MTVのアセットを活用し、若年層にアプローチ
米国では、若年層に広がる性感染症が社会的な問題となっています。10代の女性の4人に1人(26%)が性病に感染しているというショッキングな調査結果も出ています(情報源)。
こうした問題を受けて、若年層の顧客を多く抱えるMTVと健康問題に取り組むNPO「カイザー・ファミリー・ファウンデーション」は1997年にパートナーシップを結び、「It's Your (Sex) Life(IYSL)」という啓発キャンペーンを開始しました。
「IYSL」のゴールは、若年層に性感染症についての正しい知識を伝え、性感染症の検査を受けさせることです。難しい課題ですが、MTVの抱えるアーティストなどを活用することで、若年層への効果的なアプローチを実現しています。
マーケティングの観点からは、これはコーズ・マーケティング(社会問題解決型マーケティング)と言えるでしょう。
こうした社会性のある取組みは、MTVというブランドに新たな価値を付与することに役立ちます。カイザー・ファミリー・ファウンデーションにとっては、より広い層にアプローチできるというメリットがあります。