柴田典子の終活ブログ「エンディングノート知恵袋」

エンディングデザインコンサルタント柴田典子のブログ。
葬儀に関わらず「賢い老い支度」として終活全般のお話もしています。

終末期~死~遺族の再構築までを「ライフエンディング・ステージ」といいます

2012年04月15日 | 世の中
経済産業省が「ライフエンディングステージの創出に向けて」という報告書を昨年出しました

人は人生の終末に向かって、様々な不安や問題を抱えていきます
そして死を迎えます
その後、残された遺族は死別後の様々な負担や悲嘆を抱え
やがて自分たちの生活を取り戻していきます

人生の終末期~死~遺族の立ち直り
までの時間帯を
ライフエンディング・ステージと名付けました

この報告書は、とても長いものなのですが
簡単にまとめれば
日本は猛スピードで超高齢社会になり、更にそれが進んでいきます
もう国の対応では十分に賄えなくなっています
家族が少ない、単独世帯多いなど
家族だけで高齢者の面倒を見る状況は困難になっています

そして地域との関係も弱体化して、高齢者はますます孤立化していきます
しかし、年をとれば病気、介護、痴呆などの問題が必ず生じてきます

今、それらの問題を担っているのは
健康面では医師や医療従事者、介護に関わり人々
遺言や後見問題や死後の整理や対処は
弁護士や行政書士や税理士や司法書士等の人々
その他に金融機関や生命保険会社も大いにかかわり
自治体やNPOも高齢者を支えています

これらの専門家は、個々に高齢者と関わっているのが現状ですが
それぞれが連携して関わる体制を目指しすよう
経済産業省が研究会を立ち上げました

それぞれの専門家がライフエンディング・ステージの担い手である、とし
人は死を避けられず、その後の遺族負担や悲嘆も
なるべく、なだらかに対処するためには
生前契約に関わる業界と、葬祭業界とその関連業者のサポートが必要である
と明言し、あえて「ライフエンディング産業」名付けています

高齢者の抱える多くの問題を各専門家が対応し
自分の分野だけでなく、その他の抱える問題があれば
別の専門家と連絡を取り合い、連携体制をとってほしい

そして高齢者の受け皿に、隙間ができないようにしてほしい、という事です
それには自分以外の分野の仕事も知り得てほしい

その一連に対応する新しい企業ができることは望んでいない
むしろ、現存する各専門家とサポートする産業の連携を望む

と示されています

国としては、高齢者には自分の将来に起きうる様々な問題に対して
自分の意思を尊重して決めておいてほしい・・・

しかし、その意識はまだまだ低いので
広範囲からの啓蒙が必要である

また、高齢者の諸問題を受ける側も、高い知識や
ホスピタリティーが求められる、と報告しています


私は、高齢者が事前相談という形で訪れるのに
比較的抵抗がないのが葬儀社のような気がするんですよ

最近の葬儀社は、死の問題だけでなく
相続や、後見制度や介護のセミナーなどを手掛けるようになっています
ですから、親を送る知識を得に来た高齢者の方々に対して
その他の相談も受けられるようにしておくといいですよね

内容が汲み取れれば、適切な専門家に連携することはできます

この問題は、今後重要になってくるので
機会ある毎に書きたいと思います


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