オフィス用品通販を行うアスクルの倉庫(埼玉県入間郡)で大規模な火災が発生した。火は22日に鎮圧されたが、周辺の数世帯に対して避難勧告が出されるなど、社会を騒がせた。

火災が発生した16日、倉庫従業員だという人物がヤフー知恵袋に寄せた相談が話題だ。投稿によると、火災発生時後は、着の身着のままで避難誘導され、荷物は2階更衣室に預けたままだという。

「リュックには、通帳 とカード、印鑑、家の鍵。上着には、自転車の鍵、Suicaのカード。駐輪場には、自転車が置きっ放しです」

たまたま母親が病気で寝ているため鍵がなくても家には入れたものの、投稿者は倉庫に置いてきた荷物が気になって仕方がない。

「会社の火災で、通帳やカード、Suicaのカードなど、消失した場合、どうすればよいのでしょうか? 」

と切実に訴えている。

ドン・キホーテの火災事件では従業員が現場に戻り死亡

投稿者は、「ロッカーに寄り、荷物を取って外に出れば良かったと、後悔してます」と、悔しさをにじませている。避難した際には、やろうと思えばロッカーに立ち寄って荷物を持って帰れたというのだ。

実際のところは分からないが、火災現場と思われる写真も投稿していること、捨てアカでもなさそうなことから、本当に従業員である可能性が高いと見られている。

投稿者の懸念に対しては、「再発行できますので安心してください。手間はかかりますけどね」といった回答が寄せられている。自分の持ち物を心配する気持ちはわかるが、爆発音を立てながら延焼するほどの火災が起こっている倉庫内に入れば、消火活動の妨げになるだけでなく、命を危険にさらすおそれもある。

過去には燃え盛る炎の中に入り、死亡した例もある。2004年にさいたま市内のドン・キホーテで発生した連続放火事件では、従業員3人が焼死している。当時の報道によれば、3人は一度店外に避難したものの、店内に客がいないかを確認するために再度店内に入り、そのまま戻ってこなかったという。

「この出来事は、これからの教訓として、生きていきたいと思います」

このような事件を踏まえてか、知恵袋内では「生きていて良かったですね」「命に変わるものはありません」など、荷物はどうあれ無事でよかったという励ましが相次ぐ。ベストアンサーに選ばれた回答では、カード類などは再発行すればいいし、家の鍵はコピーを作ればいいなどと書いた上で、

「生命の再発行は出来ないのですよ」

と結んでいる。たしかに、死んでしまっては元も子もない。相談内容ははてなブックマークでも話題となり、「いい答えだ」「回答は素晴らしいの一語」「しみじみした」など、感動した人が相次いでいた。

質問者もこうした回答に心を動かされたようで、「皆さん、温かい、お言葉をありがとうございます。この出来事は、これからの教訓として、生きていきたいと思います。本当にありがとうございました」と感謝している。

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