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■山本祐歳 metamoric animal XIX 青いまちふたたび (2015年9月2日~14日、札幌)

2015年09月14日 07時49分42秒 | 展覧会の紹介-複数ジャンル
 
 北広島の山本祐歳さんが、ギャラリー犬養で、個展のシリーズ「メタモリック・アニマル」を開いている。

 小さい部屋がいくつもある同ギャラリーだが、この、入り口からすぐ左手にある部屋には以前テーブルなどが置かれて、展示専用の空間ではなかった。
 山本さんとしては喫茶スペースでお茶を飲みながら作品を見てほしい、ぐらいの気持ちだったらしいが、いざふたを開けてみると、テーブルやいすは撤去されており、はからずも本格的な展示になってしまった、ということらしい。

 ここ何回か続いている「青」のシリーズ。
 いちばん手前に置かれている、青く塗られた象のほか、ここ数回でおなじみの、ビー玉が四角の木枠の中に浮かんでいる立体や、直方体がたくさんならんで、にぎやかなインスタレーションになっている。




 動物を擬人化した木彫、というのが、山本さんの初期から続くテーマ。
 足元は建築と一体化しており、不思議な哀歓をかもし出す。




 その木彫を写真に撮ってプリントし、次元の異なる作品を同時に提示することで、「虚」と「現実」の関係を考えさせるのも、特に初期に多かった展示手法で、「これをやめたわけじゃないんですよ」と山本さん。


 会場の隅には、薄暗いスポットライトを浴びて、青い立体や、女性像のような立体、さらに、細長い板に描いた絵などが照らされている。
 夜は暗くてちょっと見えづらいが、それも演出のうちとのこと。

 山本さんによれば、午後2時ごろ、机の上(冒頭の画像)に西日が射して、美しいとのこと。
 時間帯によって見え方が異なるのは、いかにもこの会場らしい。

 今回の個展は、基本的にはSTV北2条ビルやアートスペース201の延長線上にあるといえそうだが、机上のインスタレーションは、青から黒へと移り変わるようにさまざまな立体が配置されていた(冒頭の画像では見づらくてすみません)。
 山本さんの一連の青いシリーズも、次回以降は「黒」へと変わっていくかもしれない…、そんな予感を抱かせた個展だった。



2015年9月2日(水)~14日(月)午後1時~10時30分(最終日は午後7時ごろから撤収)、火休み
ギャラリー犬養(豊平区豊平3の1)


□METAMORIC ANIMAL http://www10.plala.or.jp/metamor/

過去の記事
Metamoric Animal 18 ― 青いまち wood carving,photo,painting etc.. (2014年12月4日~9日、札幌)
山本祐歳 觀光 SITE.N2.W2. (2014)
Metamoric Animal XVIII (2013年)
【告知】山本祐歳展 青の素中へ -Metamoric Animal XVI- (2012)
※これ以前の展覧会については、2012年のリンク先を参照してください。




・地下鉄東西線「菊水駅」から約700メートル、徒歩9分
・中央バス「豊平橋」から約180メートル、徒歩3分

・地下鉄東豊線「学園前駅」から約1キロ、徒歩13分


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