水月光庵[sui gakko an]

『高学歴ワーキングプア』著者 水月昭道 による運営
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リストラなう!―私は― 来年までの「ポスドクなう!」

2010年06月08日 | 庵主のつぶやき
担当編集者のM氏からメールを頂きました。
「ブログ拝見しました。延期、本当にすみません」
わざわざのご連絡に嬉しいやら申し訳ないやら。

先日、(『ホームレス博士』)「延期」と聞いたときは気分はまさにどん底。
それは、アカデミアで何年たっても一兵卒扱いされるポスドクの心情のごとしでした。たぬきちさんのブログにも、「ゲゲゲ」の水木先生の戦争体験に触れた箇所がありましたよね。新入りが入らずいつまでも初年兵(の状態)が続くどん底地獄、のくだりです。

ポスドクの位置づけは、ほぼコレに準じますから。いつまでも、アカデミアの最下層。しかも、基本的に仲間とは思われていない。「同じ釜の飯を食う仲間」ではなく「釜の飯を食わせてやってる○隷」。ですから、当然、人として(一人前の研究者として)扱われることなどほぼないわけです。学部生や院生からも「先生とは違う人=なれない人」と冷ややかにみられてます。非常勤講師をやっている人(=先生)は多いはずなんですが・・。ま、心はささくれるわけですよ、やっぱり。早く人間になりたーい!と。

ところが、M氏は〝わざわざ〟―ここがとても大切なところです―重ねてお詫びの連絡をくださったのです。大事にされている、と久々に感じましたね。こんな人並みの扱いをうけるのはいつ以来でしょうか。嬉しくなるのも不思議ではないでしょう?

思えば、たぬきちさんと私の担当M氏は同じ会社ですから互いに顔を知ってるわけですよね。私は、ブログで初めて〝たぬきちさん〟を知っただけなので直接の関係は全くないんですけれども。でも「リストラなう!」の影響が間接的にこの身に及んだ。営業畑におられたとのことなので、もしかしたら三年前に拙書『高学歴ワーキングプア』(光文社新書)でお世話になっていたのかもしれませんが―であればありがとうございました。でも本当に不思議な気分です。

ブログを媒介にしたコミュニケーションの妙にちょっと穏やかな気持ちになっていたりするのです。

しかし、来年4月以降のことをそろそろ真剣に考えないと―というか、この数年ずっとトライしてきたんだが―このままじゃ(研究者としても日々の暮らしも)終わるな、と焦ってます。

たぬきちさんは、退社二ヶ月前からブログに集中し始めたんですよね。
文面を見直してみても、やはり魂がこもってるのを感じますよね。

本ブログも気分一新、名前を変えて『来年までの「ポスドクなう!」日記』とかにしようかしら。

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