以前、「か」と「ね」の違いが相手に与える印象の違いを書いた。
他にも「たった一文字」「ほんの些細なひと言」が人に与える影響は計り知れない。
それは自分に対しても同じだ。
最近、私が発見したすごい「ひと文字」があります。私自身結構使っていて、感情コントロールに効果を発揮しています。それは・・・
「わ」
です。
仕事でオーバーワークになったり、ストレスがたまったりした時の対処にお薦めです。また、スポーツ選手のメンタルにも有効だと思いますね。
以前、テレビで星野リゾートの紹介をやっていました。比較的高額ではあるけれど、それに見合った素晴らしいサービスを提供する同社。私は宿泊したことはないけれど、とても好感を持っています。そのテレビの一場面。川沿いの最高のロケーションにある部屋に入ったレポーターが言った言葉が象徴的です。
「ああ、こりゃあ高いわ」
って。
「うわあ、これは高いぞ」とか、「こりゃ高いかもしれないなあ」じゃないんです。「高いわ」なんです。レポーターは、仕事としてここにやってきて自分が宿泊することを前提に話していない。いわば、「他人事」なのです。
これを聞いて私は“ビビッ”ときました。「これはすごいスキルかもしれない」と。
つまり、意識して他人事にしてしまうことができるのです。これはセルフコントロールに重要なことです。人は思考よりも感情の方が圧倒的に強いわけですから、感情が暴走するのは当たり前。そこで、ふと一度、客観的・俯瞰的に自分を見つめ、落ち着いたり、違う視点を思い出したりすることが必要です。それは「意識して」いないとなかなかできません。
「わ」はその意識するための道具になりそうです。
例えばこれです。
私もサラリーマン時代たびたび経験しましたが、理不尽な取引先や上司に遭遇した時、「こんなんやってられない!!」と苛立つ自分を認めつつ、こうつぶやくのです。
「こりゃ、やってられないわ」
って。
高校球児がマウンドでピンチを迎えたとき、「うわあ・・・、ヤバイなあ・・・」と思った後に(思うこと自体は構わんぞ)、「こりゃあ、確かにヤバイわ!」と。
何となく、「他人ごと」に思えませんかね。そんな自分を外からみると、落ち着きを取り戻すきっかけになります。
これ、実際に私も効果的に使っています。少し自分を客観視するには、このたったひと文字が効果的だと思います。
「こりゃヤバイ・・・」から「こりゃヤバイわ」へ。「ここはチャンスだ!」から「ここはチャンスだわ」へ。
スポーツなどは、こういったわずかな意識がプレーにも影響を与えるものです。実力の拮抗した高校野球などはその典型です。もちろんビジネスマンのメンタルヘルス対策にもお薦め。
そういえば、前回のWBCの後にイチローが言っていましたよね。
「今、日本中テレビ見てるだろうなあ~」「俺って持ってるわ~」って。
自分を冷静に、客観的に見るために「わ」の一文字をつぶやく。こういうつぶやきなら歓迎です。
自分でいうのも何ですが、すごい発見なような気がします。
「そんなもん」を「そんなもん」で済ませない意識が大事なんでっすよね。やっぱり本を書くべきだと思いますよ。楽しみにしています。
ほとんど自動的に浮かんで箱の中に入って感情的になっていますよね-
これから自分の機嫌は自分でとれ!の世界がもっと来るのでありがたいスキルです!
さすが!
今度の著者の会でもお会いできるとよいですね。楽しみにしています。