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オシムの戦術 単行本 – 2010/5/1
千田 善
(著)
- 本の長さ297ページ
- 言語日本語
- 出版社中央公論新社
- 発売日2010/5/1
- ISBN-104120041107
- ISBN-13978-4120041105
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登録情報
- 出版社 : 中央公論新社 (2010/5/1)
- 発売日 : 2010/5/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 297ページ
- ISBN-10 : 4120041107
- ISBN-13 : 978-4120041105
- Amazon 売れ筋ランキング: - 463,767位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 12,943位スポーツ (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2010年5月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
今更、死んだ子の年齢を数えるが如くに未完に終わった幻のチームに思いを馳せても
現実は何も変わらない。「そんなこと、百も承知」の当たり前の事実だが、目前の惨状と相まる時、
最早あり得ない「もしも」の姿をいまさらに夢想してしまうのを禁じ得ない。
それでも尚、オシム氏なら日本代表にエールを送りつつ、まだ時間はある、やれること、やるべきことはある
と叱咤激励するのではないかと、自分に言い聞かせつつ、南アでの奇跡的な出来事を(半ば諦めつつも)
期待している今日この頃である。種々のこぼれ話も興趣をそそるし、一読されて損は無いだろう。
組織、チーム、リーダー、コーチング、といったキーワードで読んでも含蓄深いものがあり示唆に富んでいる。
どなたかが書かれていた「父性的な存在感」というのが日本国民にとって一番アピールした要因だと思うが
その父性的な愛情、情熱といったものが生み出されたオシム氏の類稀な人生の経緯は知っておくべきだと
思う。変に神格化などするなかれ。サッカーに殆ど全てを捧げる人生を自ら選び、全うしようとする
一人の等身大の人間として在ること、その凄さと自らを律する剄い意志には源流があり時代的、歴史的な
背景も存在する訳なので。不思議な縁、その天恵に預かれたことを日本のサッカーは何とか糧にしてほしい。
現実は何も変わらない。「そんなこと、百も承知」の当たり前の事実だが、目前の惨状と相まる時、
最早あり得ない「もしも」の姿をいまさらに夢想してしまうのを禁じ得ない。
それでも尚、オシム氏なら日本代表にエールを送りつつ、まだ時間はある、やれること、やるべきことはある
と叱咤激励するのではないかと、自分に言い聞かせつつ、南アでの奇跡的な出来事を(半ば諦めつつも)
期待している今日この頃である。種々のこぼれ話も興趣をそそるし、一読されて損は無いだろう。
組織、チーム、リーダー、コーチング、といったキーワードで読んでも含蓄深いものがあり示唆に富んでいる。
どなたかが書かれていた「父性的な存在感」というのが日本国民にとって一番アピールした要因だと思うが
その父性的な愛情、情熱といったものが生み出されたオシム氏の類稀な人生の経緯は知っておくべきだと
思う。変に神格化などするなかれ。サッカーに殆ど全てを捧げる人生を自ら選び、全うしようとする
一人の等身大の人間として在ること、その凄さと自らを律する剄い意志には源流があり時代的、歴史的な
背景も存在する訳なので。不思議な縁、その天恵に預かれたことを日本のサッカーは何とか糧にしてほしい。
2010年5月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「三角ベース」(同書p97-9より)
____
'''☆ ☆
☆ ☆☆
' '' ☆ ☆
'
◎◎◎ ◯◯
◎ ◎◎ ◯◯ ◯
\ ◎ ◯ ◯/
\ /
グラウンド半面にゴールを三つ置いた「三角ベース」(7対7対7)。
ボールを持った選手のそのときの判断でどちらのゴールを狙ってもよい。
サイドを使う訓練になる(棒線はゴールマウス)。
オシムはアジアカップ直前、選手の疲労のたまった時にこのメニューで盛り上げたそうだ。
そんなオシムの口癖?は「哲学しないでくれ」だった。
「難しく考えるな」「あれこれ議論する前に、やってみれば分かる」といった意味らしい(同書p32より)。
こうしたオシムの練習方法や戦術を著者の言葉で一言でいうならば「変幻自在」ということになる。
基本的には回想録の続篇だが、同書はオシムの日本代表における主要な試合のフォーメーション図、全試合の出場選手名が掲載されていて資料価値が高い。
公式書籍ではないらしいが、具体的な練習方法を知りたければ『オシムの練習』もおすすめ。
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◎◎◎ ◯◯
◎ ◎◎ ◯◯ ◯
\ ◎ ◯ ◯/
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グラウンド半面にゴールを三つ置いた「三角ベース」(7対7対7)。
ボールを持った選手のそのときの判断でどちらのゴールを狙ってもよい。
サイドを使う訓練になる(棒線はゴールマウス)。
オシムはアジアカップ直前、選手の疲労のたまった時にこのメニューで盛り上げたそうだ。
そんなオシムの口癖?は「哲学しないでくれ」だった。
「難しく考えるな」「あれこれ議論する前に、やってみれば分かる」といった意味らしい(同書p32より)。
こうしたオシムの練習方法や戦術を著者の言葉で一言でいうならば「変幻自在」ということになる。
基本的には回想録の続篇だが、同書はオシムの日本代表における主要な試合のフォーメーション図、全試合の出場選手名が掲載されていて資料価値が高い。
公式書籍ではないらしいが、具体的な練習方法を知りたければ『オシムの練習』もおすすめ。
2010年5月24日に日本でレビュー済み
たった今、韓国戦を見終わりました。
とても悲しい気持ちになりました。
日本代表はペナルティエリアにさえ侵入できず、ディフェンスでは決まった約束もなく前線から無駄なチェイス。
これが日本代表の実力なのか…
いや、そうじゃない。
このオシムの戦術を読む度に、今の日本代表が歯がゆくてしかたなくなります。
もし同じ2対0でも、オシムならもっと違うアプローチで、違う哲学で戦っていたのだろう。
オシムなら、この韓国戦にどのようなテーマをもって、そのためにどのような練習を積んで試合に臨んだのだろう。
日本代表の試合を見て切なくなった方は読まない方がいいかもしれません。
オシムという監督のすごさに、試合内容以上の失望を感じるかもしれないから。
とても悲しい気持ちになりました。
日本代表はペナルティエリアにさえ侵入できず、ディフェンスでは決まった約束もなく前線から無駄なチェイス。
これが日本代表の実力なのか…
いや、そうじゃない。
このオシムの戦術を読む度に、今の日本代表が歯がゆくてしかたなくなります。
もし同じ2対0でも、オシムならもっと違うアプローチで、違う哲学で戦っていたのだろう。
オシムなら、この韓国戦にどのようなテーマをもって、そのためにどのような練習を積んで試合に臨んだのだろう。
日本代表の試合を見て切なくなった方は読まない方がいいかもしれません。
オシムという監督のすごさに、試合内容以上の失望を感じるかもしれないから。
2018年4月4日に日本でレビュー済み
どうもワールドカップが近づくと、いつもながらの代表チームのていたらくにイラつくのが定番なのでしょうか。贅沢な悩みです。今回もその例にもれず、所詮無駄な営為と思いながらも何らかの示唆を求めて手に取った作品でした。2010年出版の作品で本書で題材とされた代表チームは2006年から2007年までのものです。時間の経過は残酷で当時の代表選手で今も代表に名を連ねているのはgoal keeperの川島選手だけです。現役としてバリバリの活躍をしている選手も相当少なくなってきています。
全体の構成は8章までが当時の代表チームの変化と成長を取り上げたもので、そのあとはオシム退任後の諸事情を扱ったものです。この後半部分は冗長な印象を逃れません。オシムは当時からサッカー監督らしからぬ、わかりにくいparadoxicalな言説で受け手を困惑させるパーソナリティだなという印象が強かったのですが、本書では当時の内部事情が通訳としての立場から懇切に説明されています。というわけでparadoxやironyに潜むlogicへのある程度の理解は深まりました。
代表チームの監督というのは、選手の育成自体にはかかわることができず、リーグで疲弊した選手を与えられて。限られた時間という拘束の中でチームを熟成させ、それなりの結果を求められるという、なかなか損な役回りです。そこでどのようにして、オシムがこの現実と立ち向かい、自身の美意識と折り合いをつけようとしたのか。ここがこの作品の肝です。所詮第三者によるフィルターを経たものとはいえ、この意図と結果のgapという本質の軌跡はある程度本書の解釈から読み取れることができます。最終的にはやはり監督の好みと個性が強く出てくるのです。この色がどの程度実績に反映されるかは、対戦相手の状況と「運」という相対的な要因に強く規定されるわけで、world cup前に崩壊してしまったこのチームはそういう意味では永遠に見果てぬ夢となっているわけです。
全体の構成は8章までが当時の代表チームの変化と成長を取り上げたもので、そのあとはオシム退任後の諸事情を扱ったものです。この後半部分は冗長な印象を逃れません。オシムは当時からサッカー監督らしからぬ、わかりにくいparadoxicalな言説で受け手を困惑させるパーソナリティだなという印象が強かったのですが、本書では当時の内部事情が通訳としての立場から懇切に説明されています。というわけでparadoxやironyに潜むlogicへのある程度の理解は深まりました。
代表チームの監督というのは、選手の育成自体にはかかわることができず、リーグで疲弊した選手を与えられて。限られた時間という拘束の中でチームを熟成させ、それなりの結果を求められるという、なかなか損な役回りです。そこでどのようにして、オシムがこの現実と立ち向かい、自身の美意識と折り合いをつけようとしたのか。ここがこの作品の肝です。所詮第三者によるフィルターを経たものとはいえ、この意図と結果のgapという本質の軌跡はある程度本書の解釈から読み取れることができます。最終的にはやはり監督の好みと個性が強く出てくるのです。この色がどの程度実績に反映されるかは、対戦相手の状況と「運」という相対的な要因に強く規定されるわけで、world cup前に崩壊してしまったこのチームはそういう意味では永遠に見果てぬ夢となっているわけです。
2010年5月9日に日本でレビュー済み
オシム専属通訳の方が書かれた本であるため、非常に具体的な内容が多い。
内容は、タイトル通りオシムの得意とした戦術が図解で紹介されるほか、
オシムが指揮を執った全20戦の記録、また若干の日本代表選手の裏側などがある。
私の一番の学びは、「監督とは選手よりもアイデアをたくさん持っている人物である」
ということだ。
オシムは「選手をあきさせないため」、そして何よりも「相手に勝つため」、
練習は本当にアイデアに富んでいた。それは突拍子もない思いつきのアイデアではない。
綿密に次戦の相手を何度もビデオで見た上で絞り出したアイデアなのである。
常識、定石をもくつがえすアイデアは日本に必勝をもたらしていることが、
本書を読めば分かる。
個人的には是非オシムにもう一度日本サッカーの手綱を引いてもらいたい。
内容は、タイトル通りオシムの得意とした戦術が図解で紹介されるほか、
オシムが指揮を執った全20戦の記録、また若干の日本代表選手の裏側などがある。
私の一番の学びは、「監督とは選手よりもアイデアをたくさん持っている人物である」
ということだ。
オシムは「選手をあきさせないため」、そして何よりも「相手に勝つため」、
練習は本当にアイデアに富んでいた。それは突拍子もない思いつきのアイデアではない。
綿密に次戦の相手を何度もビデオで見た上で絞り出したアイデアなのである。
常識、定石をもくつがえすアイデアは日本に必勝をもたらしていることが、
本書を読めば分かる。
個人的には是非オシムにもう一度日本サッカーの手綱を引いてもらいたい。
2010年10月18日に日本でレビュー済み
「この本は……だれよりも日本のサッカーの進歩を願ってやまなかったオシムの
『サッカー哲学』というか、戦術や練習方法などを、より正確な形で残すことが目的で
ある。……この本ではおもに戦術論や指導者論、練習法にスポットを当てる。オシムが
どんなサッカーをめざしたのか、そのためにどんなトレーニングを考えたのか、
できるだけイラストなどもまじえながら振り返る」。
頭のいい人が概してそうあるように、良くも悪くも気づいてみれば同じことの反復。
従って、過去の語録やらワールドカップ期間中の独演会やらのデジャヴュが至る所に
ちらついて、基本的に新鮮さをあまり感じ取りようがなかった、というのが読後感。
本書の位置づけを筆者は「名将オシムのサッカー哲学、トレーニング論などをめぐる
スポーツ科学の参考書」と説明しているが、病に倒れた後のリハビリ記録や氏の来歴が
本書の後半を占めている関係上、どうにもそちらの印象に引きずられてしまい、確かに
前半部分における練習法や指導方針などの記述もそれなりに充実してはいるのだが、
これがスポーツ科学のテキストなのかと問われれば、やはり首をひねってしまう。
その上で、あまりに近くで接しすぎたが故の弊害なのだろうか、それとも単に構成上の
ことなのだろうか、オシムのことばと筆者自身による咀嚼の区分があまりにルーズなのが
どうにも気になって仕方がない。最終章などは『 坂の上の雲 』から、オシムのことばを
改めてなぞりつつ、筆者個人の提言として再構成するなどという始末。
「イミテーションではだめだ」とのオシムの言にある面では忠実に、千田氏なりに自らの
メッセージを紡ぎ出そうとしているのは分からなくもないけれども、それを『オシムの
戦術』との表題のもとでやってしまうのはさてどうなのだろうか。
「翻訳とは裏切りである」、そんな格言がよぎってどうにもならなかった。
読み物としての面白さでは『 オシムの言葉 』の方が上、というのが個人的な印象。
『サッカー哲学』というか、戦術や練習方法などを、より正確な形で残すことが目的で
ある。……この本ではおもに戦術論や指導者論、練習法にスポットを当てる。オシムが
どんなサッカーをめざしたのか、そのためにどんなトレーニングを考えたのか、
できるだけイラストなどもまじえながら振り返る」。
頭のいい人が概してそうあるように、良くも悪くも気づいてみれば同じことの反復。
従って、過去の語録やらワールドカップ期間中の独演会やらのデジャヴュが至る所に
ちらついて、基本的に新鮮さをあまり感じ取りようがなかった、というのが読後感。
本書の位置づけを筆者は「名将オシムのサッカー哲学、トレーニング論などをめぐる
スポーツ科学の参考書」と説明しているが、病に倒れた後のリハビリ記録や氏の来歴が
本書の後半を占めている関係上、どうにもそちらの印象に引きずられてしまい、確かに
前半部分における練習法や指導方針などの記述もそれなりに充実してはいるのだが、
これがスポーツ科学のテキストなのかと問われれば、やはり首をひねってしまう。
その上で、あまりに近くで接しすぎたが故の弊害なのだろうか、それとも単に構成上の
ことなのだろうか、オシムのことばと筆者自身による咀嚼の区分があまりにルーズなのが
どうにも気になって仕方がない。最終章などは『 坂の上の雲 』から、オシムのことばを
改めてなぞりつつ、筆者個人の提言として再構成するなどという始末。
「イミテーションではだめだ」とのオシムの言にある面では忠実に、千田氏なりに自らの
メッセージを紡ぎ出そうとしているのは分からなくもないけれども、それを『オシムの
戦術』との表題のもとでやってしまうのはさてどうなのだろうか。
「翻訳とは裏切りである」、そんな格言がよぎってどうにもならなかった。
読み物としての面白さでは『 オシムの言葉 』の方が上、というのが個人的な印象。