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Microsoft、Vistaの汚名をWindows 7で返上――米調査

» 2010年05月20日 13時26分 公開
[Nicholas Kolakowski,eWEEK]
eWEEK

 米Microsoftに対する消費者の評判はWindows 7がリリースされたことで回復した――。5月18日に発表された最新の米国顧客満足度指数(ACSI)からは、そうした状況が見てとれる。2010年第1四半期のACSIで、Microsoftは100点満点中の76点を記録し、ソフトウェア企業の平均点に並んだだけでなく、Windows Vistaのリリースによって大幅に落ち込んでいた顧客満足度をなんとか回復させられたようだ。

 Windows Vistaがリリースされた2007年には、MicrosoftのACSIスコアは73点から70点に落ち込み、さらに2008年には69点に低下、翌2009年には70点とわずかな回復を果たすも、その年の業界平均である75点には届かなかった。

 だがWindows 7のリリースがそうした状況を変えた、とこの調査の担当者は指摘している。

 「Windows Vistaに悩まされていた消費者にとって、2009年秋にMicrosoftがリリースしたWindows 7は気分を一新してくれる存在となったのだろう。Microsoftはより良質な製品を投入して好調に売り上げを伸ばし、顧客満足度の大幅アップにつなげることができている」とACSIは5月18日付で調査結果とともに発表したプレスリリースで指摘している。

 Microsoftの今回の76点というスコアは、前年比では8.6%のアップ、ACSIがMicrosoftの顧客満足度の測定を開始した2006年と比べると4.1%のアップだ。

 ACSIはミシガン大学のロス・ビジネス・スクールが開発した指標で、政府機関のほか、44の業種にわたる200社以上の企業を対象に顧客満足度の測定が行われている。最新の調査結果はACSIのサイトで公開されている。

 Windows 7はWindows Vistaの市場シェアを急速に侵食しつつあり、この数カ月間で、MicrosoftのOSとしてはXPに次いで2番目に多く使われているOSとなっている。調査会社のJanco Associatesが5月3日に発表した調査報告によると、現在Windows 7はVistaを追い抜き、OS市場で14.8%のシェアを占めているという。

 ただし、ほかの調査会社のデータではまだこの順番にはなっていない。例えば、Net Applicationsのデータでは、Windows 7の市場シェアは11.68%、Vistaが15.60%、XPが63.41%となっている。

 この数カ月間、MicrosoftにとってWindows 7は重要な売れ筋商品となっており、同社は4月22日の決算発表の記者会見で、Windows 7のライセンス販売数が9000万を突破したと報告している。さらに、その好調に支えられ、2010会計年度第3四半期(2010年1〜3月)の売上高は145億ドルを記録した。

 「Windows 7が引き続き成長の原動力となっているが、Bing検索エンジンやXbox Live、新しいクラウドサービスなどの分野でも安定した成長が続いた。第3四半期には、過去最高の売上高を記録でき、また引き続きコスト管理も厳しく行ったこともあり、EPS(1株当たり利益)でかつてないほどの成長を達成できた」とMicrosoftの最高財務責任者(CFO)、ピーター・クライン氏は会見に出席した記者やアナリストに説明していた。

 ただし、Microsoft製品に対するビジネスユーザーの反応は消費者と同じというわけではない。世界的な景気後退の影響で、企業のITインフラ支出は依然として停滞傾向にある。「企業のハードウェア支出には回復の兆しも見られるが、本格的に採用が進むのは恐らくもう少し先のことになるだろう」と決算発表会見でクライン氏は語っていた。

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