島国ニッポンの山国から

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半年になった自転車道「社会実験」

2010-05-18 23:51:42 | クルマ社会の問題
 山形市中心市街地の約1kmにわたる自転車専用レーンの「社会実験」が始められたのは昨年11月5日であったから既に半年を過ぎている。
 そこで昨日はこれを“記念”してか、運営体がこの専用レーンの利用状況を公表するとともに自転車利用者に対する一層のマナーの向上を呼びかけた。
 それによると、専用レーンの利用状況は向上し歩道を走る自転車はだいぶ減少したものの、依然として歩道を走る自転車は後を絶たないとのことである。
 でも、以前このブログでも述べたように、「歩道を走る自転車の撲滅」のみを図る目的でこの試みがなされたとすれば、問題の根本的な解決にはならず、やはり歩道を走る自転車は後を絶たないことは間違いがない。
 確かに歩道を走る自転車は歩行者に危険を及ぼすから問題であるが、自転車が歩道を走るようになったのは車道ではクルマが増え過ぎ、しかもクルマの速度が速いので自転車利用者にとっては車道走行は危険になったからで、それゆえ自転車問題は即ちクルマ社会の問題なのであり、溢れすぎたクルマの利用の抑制を図ることなしに自転車問題の本質的な改善はありえないのである。
 つまり、クルマ利用者の不満の声の方に耳を傾けるようであれば、この社会実験を取り止めざるをえなくなり、実験は失敗ということになる。
 近い将来において現在の“実験”の区間のみならず、市域全体に自転車専用レーンを延伸や新設する意図がない限り、「場当たり的」な施策でしかないことになる。
 この“実験”の区間以外の道路ではほとんどの自転車は歩道を走るのだから、その癖(くせ)や習性が身に浸みており、だから“実験”区間に入ってもつい歩道を走ってしまうのではないか。

◆写真 本日(5月18日)の中心商店街の自転車レーンと車道  時間帯や撮影タイミングにもよるが、やはり自転車の姿は依然として少ない (左下はデンマーク・コペンハーゲンの自転車専用レーンの利用状況)


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