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大口依存、改善できず/bjリーグ高松破産

2010/05/15 09:35

破産申請し苦渋の表情で記者会見するスポーツプロジェクト高松の元二代表(左)=香川県高松市丸の内、県弁護士会館
破産申請し苦渋の表情で記者会見するスポーツプロジェクト高松の元二代表(左)=香川県高松市丸の内、県弁護士会館

高松ファイブアローズの歩み
高松ファイブアローズの歩み

 bjリーグ、高松ファイブアローズの運営会社「スポーツプロジェクト高松」の破産は、大口広告主だった穴吹工務店に依存していた球団体質から最後まで脱することができなかったことが主因といえる。
【→参照記事】

 今季の運営費を当初1億9000万円と見込んでいた同社は、開幕1カ月前に8000万円の資金不足を表明。個人スポンサーなどで2500万円の資金を確保し、継続参戦を表明したが、5500万円不足しており、見切り発車の感は否めなかった。

 運営会社の幹部は「地域球団への転換を目指す」としながらも大口広告主を探し続けたが見つからず、資金難はチームの成績に直結。bjリーグの魅力である「派手なプレーや演出」も影を潜めた。観客数は1試合平均1170人で前年に比べ約400人も減少し、興行収入は半減。経営悪化に拍車がかかった。

 ただ、運営会社が倒産しても高松の「プロバスケの灯」が完全に消えてしまったわけではない。昨年、高松同様に運転資金に苦しんでいた大分や東京は、新たなスポンサーが運営会社を設立。現在もチーム運営を続けている。

 チーム存続を探る動きは高松でもあった。4月下旬に同リーグの河内敏光コミッショナーとアローズ前監督の丸岡茂樹氏が来県し、県バスケ協会関係者と接触し、水面下では前向きな話し合いも持たれた。

 同リーグの中野秀光社長は「bjからはお金を出せないが、新規スポンサーの感触はある。今はチームをまとめることができる経営者を探している」と支援継続を強調し、「(東地区の)浜松・東三河チームのように、高松、四国が厳しいのなら、岡山と一緒になる手法もある」と策を練る。

 チーム復興へは今後、リーグが中心となると見られるが、その命運は県民の熱意にゆだねられているといっても過言ではない。

(運動部・南原雅仁)

元二代表ら一問一答 資金繰り急速に悪化 チームの将来は未定
 スポーツプロジェクト高松の自己破産申請について14日、記者会見を開いた元二俊朗代表取締役や代理人の堀井茂、実両弁護士の一問一答は次の通り。

 ―破産申請を選手にいつ説明したのか。
 元二代表 きょう(14日)午前中、事務所で説明した。

 ―反応は。
 代表 「なぜ経営をしっかりできなかったのか」などとおしかりを受けた。

 ―選手らの処遇は。
 代表 ヘッドコーチと3人の外国人選手についてはシーズン終了と同時に契約が終了しているが、6人の日本人選手については、きょうをもって契約解除した。契約期間は6月まであったが、資金繰りの急速な悪化によって途中で破産申し立てということになった。選手、従業員には申し訳ない気持ちでいっぱい。

 ―資金繰りの悪化は成績に影響したか。
 代表 今季は日本人選手だけで開幕を迎えるなど、変則的なスタートとなった。途中で外国人を補強したが、年間を通じて固定した選手構成にならず、戦力的に迷惑をかけた。

 ―チームは今後どうなる。
 堀井実弁護士 今後選任される破産管財人もチームの運営自体は行わないので、チームの将来は未定としか言えない。(新たなスポンサー探しをするにしても)破産管財人の下で、ということになる。リーグが探すかもしれないが、探さないという判断もある。
 堀井茂弁護士 実際は、球団をそのまま引き取って新会社を立ち上げ、球団を運営したいというスポンサー企業がでてくるかどうかだ。

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