映画、本、たまに舞台。

観たり、読んだりしたものの備忘録。

岡田斗司夫『「世界征服」は可能か?』(ちくまプリマー新書、07年6月)

2007年12月07日 | 
むろん数々のアニメや特撮を例に取りつつも、
なかなかにクレバーな一冊。

これまでの“世界征服”の
コストパフォーマンスの悪さを説き、
現在あり得るその方法にまで行論する。

富野由悠季がガンダムに欠けているのは
「経済」だと言っているのを読んだときは
(『戦争と平和』アニメージュ叢書)、
まったく虚を突かれたが、同様の視角から検証するに、
『戦国魔神ゴーショーグン』『レインボーマン』は面白すぎ。
とりわけ、後者の自己矛盾は、もはや泣かせる。

《たとえば『スターウォーズ』のお話を理解するためには、
「共和制→帝政」の理解が不可欠なんですけど、
あまりそのあたりに踏み込んだスターウォーズ論は読んだことがありません》(P152)
といった指摘は、オタキングの面目躍如。

「ところで、このガーゴイルって秘密結社は、なんで世界征服なんかしたいんでしょうね?」
「そんな面倒なことせずに、高度な科学力で自分らだけ楽しい暮らしすればいいのに…」

本書のきっかけは、『ナディア』制作中の庵野がつぶやいた、
この一言だったという。まったく、庵野ってのは…。

一押しはP62~3の「ヨミさま人生すごろく」。
一気にファンになりました(笑)。

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