米国EV(電気自動車)サービス・プロバイダーのベタープレイスと日本法人ベタープレイス・ジャパンは4月26日、東京最大手のタクシー会社日本交通と共同で、世界初となるバッテリー交換式EVタクシーの実証運用を開始すると発表した。経済産業省・資源エネルギー庁の「平成21年度電気自動車普及環境整備実証事業」の一環として実施される。
東京には単一都市では世界最多となる約6万台のタクシーが走り、1日の平均走行距離は300kmになる。台数では全自動車の2%にすぎないが、CO2排出量では20%に達するという。ベタープレイスでは、現在のタクシーの使用状況を考えると、EV化にはバッテリー交換式が最適と判断した。
車両は日産『デュアリス』をベースとして、東京アールアンドデーとの共同設計により生まれたもので、3台を用意する。六本木ヒルズ内に設置された専用乗り場から一般利用が可能で、バッテリー交換ステーション(BSS)は港区虎ノ門に設置し、最適な温度管理のもとでバッテリー保管と充電を行う。交換時間は約1分で、LPGタクシーがガスを充填するより短時間ですむ。
さらにベタープレイスでは、インフラネットワークとバッテリー管理システムを活用し、EVタクシーの位置やバッテリー状態のリアルタイムでの把握も行う。このシステムを用いることで、バッテリー残量などの重要な情報を把握し、その情報を元にBSSでの管理や充電を最適化するという。
ベタープレイスは昨年、横浜でEVの実証運用を成功させた実績を持つ。今回のプロジェクトはそれを受け、経済産業省・資源エネルギー庁から同社に委託されたもので、7月末日まで約90日間の予定で実施。これに続き年内にイスラエルでテスト運用を行ったあと、来年同国とデンマークにおける商業化開始を予定している。