納豆に赤ワインが最高に合わないというのは誰もが口にする。
では、なぜ合わないかを実験してみた。
仮説:納豆は食べられないという外人が多い中で、臭いという人がいる。しかし、ウオッシュタイプのチーズなんかもっとくさいのに!と反論すると要はあのべっとりとまとわりつく高い粘着性に慣れないとうことが出てくる。
私は基本的にチーズには赤ワインよりも白ワインが合うと思っているのだが、多くのフランス人は赤ワインとチーズを合わせたりするので、赤ワインと納豆が合わないとすると問題は香りではなくテクスチャーではないかという仮説を立てる。
それと、チーズと納豆の違いはタンパク質が植物性と動物性の違いがあり、プロテインとしては同質ではあるらしいが、何か違いがあるのではないかという疑問もある。
赤ワインが肉の脂っこさを取ってくれたり、それだけ飲むの口の中がごわごわになるのは、タンパク質がタンニンと結合して凝固するからだということで、これが同様に納豆でも発生するとすると逆に赤ワインと食べるとべたべたしなくなるはずである。しかし、やったことはないけど、本当にそうなのかという疑問もあった。
実験:
納豆はその粒の大きさによってテクスチャーや香りの強さが変わるため、ひきわり、小粒、大粒の3種を用意。同じメーカーで、たれやマスタードは使わないでの試食
ワインは白赤複数のものを用意。
1)チリ・ソーヴィニョンブラン ステンレス
2)オーストラリア・トラミナー・リースリング やや甘口
3)フランス リュベロン グルナッシュブランメイン
4)チリ・シャルドネ 樽香付き
5)フランス・ブルゴーニュ ピノノワールロゼ
6)フランス・リュベロン グルナッシュノワールメイン
7)チリ カベルネソーヴィニョン
8)ボルドー メルロー&カベルネ
9)キャンティ クラシコ サンジョベーゼ
結果:白ワインは総じてまずくはない。特に邪魔するものもない感じだが、一番合ったのはソーヴィニョンブラン。これはヒキワリよりも小粒の方が美味しく、大粒にすると大粒の持つ素材感をややつぶしてしまう感じ。
やや甘口のワインは納豆が全く生きてこない。
リュベロンも問題ないがソーヴィニョンブランよりはやや飲みづらい。ヒキワリだと若干の苦みが出るということと、大粒だとワインの酸味がすこしえぐくなる。
樽を使ったシャルドネも合わなくはないけどいまいちな感じ。これもヒキワリと大粒だと若干の苦みが出るのと、総じて香りがニュートラルになる感じで、はっきりしなくてぐずぐずし方感じ。
ロゼになると白よりは納豆の香りよりも、ワインの香りががすこし嫌な、むっとしたような香りになる。納豆の方が白ワインより若干つぶされている感じ。
赤は基本的にワインがまずくなる、濡れた犬のようなすこしむっとした香りが出てくるのと、納豆の香りが全くきえて、ねっとりとしたテクスチャーだけが浮き立ってくる。
そのなかで、一番「マシ」だったのが、キャンティであった。しかし、これも合うというよりはましな感じ。少なくともワインの味は悪いダメージはあまり受けていない様子。
考察:
全体の傾向を見ると、
1)酸味が高いワインの方が納豆に合いやすいということ。
2)ベリー系の果実味は納豆の味を殺してしまうということ。
3)納豆と赤ワインを一緒に飲んでもさっぱりはしない。動物性のタンパク質とは違うらしい。
4)赤ワインで悪い印象を発するのはワインの香りのほうであり、納豆の味が悪くなるわけではない
そこで、カシスのリキュールを水で割ったものと納豆を試したが、これは納豆の味わいの美味しさはあまり出ないものの、嫌な感じにならない。という試飲結果になった。
結論:
赤白問わず酸味があるワインの方が納豆の香りを引き立てる。
そして、酸味で口の中をさっぱりさせる効果がある。
だから一番果実味が少なくて、酸味の強かったキャンティが一番ましだったんだと思う。
赤ワインで合わないのは、タンニン。これが納豆のねっとりしたところをさっぱりさせないどころか、
逆に舌から浮き立ててしまう。
それにより、なっとうのべたっとしたテクスチャーが赤ワインによって香りが弱められるので、より一層、
気になる香りが浮き立つのだと思う。
だから、納豆には辛口で酸味があるワインがよく、赤ワインの場合果実味が弱め且つタンニンが弱い者が比較的マシになると思う。
だから、辛口白ワインがおすすめ。
なお、納豆については白ワインに合わせるな小粒なものがよく、赤ワインはどれでもおんなじぐらい難しい。