ワインの品質不良で最もポピュラーなのが「ブショネ」というもの。日本語ではコルク臭と呼ばれている。ただし、コルクの香りがワインに移ったり、必ずしもコルクの香りがするわけではないので、この言葉自体が多くの誤解を招いている。
私自身はブショネを正しく理解しており、かなりの精度で識別できると信じているが、なにぶんプロの間でも驚くほど認識のずれがあるので、私の自信も脆いものであることは否めない。
問題は「ブショネってどんな香り?」って聞かれてもちゃんと説明する言葉を持っていないのだ。
それでも説明するとすると、私にとってブショネは特定の香りや香りの集合ではない。たとえるなら、花にかけられた木綿のヴェールというところか。色の濃淡や厚みは違えども、花本来の持つみずみずしい色彩が覆い隠されている感じなのだ。この木綿の色が濃く、厚みが増してくると、バルサ剤のような香りや、ぬれぞうきんのような、「香り」として認識されることがある。
実はこのブショネ、調査によるとコルク栓のしてあるワインの実に4%もの確率であるというのだ。そもそも前述のとおり、微妙な定義であるので、果たしてどのように調査したかはわからない。ただ、もしその4%が正しいとすると、年間40000ケース販売されているワインのブランドの場合、実に1600ケース、19200本。もし仮に二人で一本をシェアしたとしたら、実に毎日100人以上の人たちがブショネの被害にあっているという事になる。それの何が恐ろしいかというと、そのうちの殆どの人たちはブショネときずかずに、このワイン美味しくないなぁ!もう飲まない!と思うことである。
さて、このブショネだが、TCAという物質が何らかの経路でワインと接触することで起きると考えられている。ちょっと怪しいと思う節もあるが、今の主流の考えである。しかるに、このTCAをワインに混ぜれば意図的にブショネができるという事になるのではないか。ワインスクールやソムリエのコンクールで引っ張りだこになると思う。ブショネってなに?って思っている一般愛好家もたくさんいるしね。でも、それが発売されないという事はなんでだろうね。絶対もうかるのに。
あとはバイオテロならぬ、ブショネテロが起きたりして。。。
ル ツール ド コートドール
知性と感性、肉体でブルゴーニュのテロワールを知る!

競技概要:世界で最も有名な高級ワインの産地、ブルゴーニュのハートの村々を自転車で走破するタイムアタック。

スタート地点:マルサネ
ゴール地点:マランジュ
競技者は自転車でスタートからゴールまでに設けたチェックポイントを通過しながら、タイムを競う。
事前にゼッケンと首から下げるリボンつきのタストヴァン、チェックポイント用のスタンプカードが配布される。

チェックポイントはAとBの二種類が交互に設置されている。

チェックポイントA:村名AOCの名を持つ村の中心地(広場)にあり、その村の名前は前日に全て参加者に公開される。参加者はそこでワインを1つブラインドで試飲する。
主催者は三択形式で選択肢を用意し、参加者はその中の正解だと思うワインの畑に向かう。

チェックポイントB:ひとつ前のチェックポイントAにて出された選択肢の畑全て(三ヶ所)にスタンプ台を用意し、参加者は自分のカードの所定の位置にそのスタンプを押して、次のチェックポイントAに向かう。これにより参加者のブラインドテイスティングの解答が各自のカードに記されることになる。

ゴール後にスタンプカードは回収され、正解の場合は0分、不正解の場合は5分がゴールまでにかかった時間に加算される。
最終的に勝敗及び順位はそのペナルティを加算されたタイムの短い順となる。

SS(スペシャルステージ):チェックポイントAの内、2ヵ所は三択ではなくフリーのブラインドテイスティングを行う。よってその次のチェックポイントBは三ヶ所ではなく、10ヵ所程度を設置する。参加者は自分の試飲の答えの畑を探しだしそこにあるチェックポイントのスタンプを押して次に進む。このSSの場合には正解者は15分が総タイムから差し引かれる。



納豆に赤ワインが最高に合わないというのは誰もが口にする。

では、なぜ合わないかを実験してみた。


仮説:納豆は食べられないという外人が多い中で、臭いという人がいる。しかし、ウオッシュタイプのチーズなんかもっとくさいのに!と反論すると要はあのべっとりとまとわりつく高い粘着性に慣れないとうことが出てくる。

私は基本的にチーズには赤ワインよりも白ワインが合うと思っているのだが、多くのフランス人は赤ワインとチーズを合わせたりするので、赤ワインと納豆が合わないとすると問題は香りではなくテクスチャーではないかという仮説を立てる。

それと、チーズと納豆の違いはタンパク質が植物性と動物性の違いがあり、プロテインとしては同質ではあるらしいが、何か違いがあるのではないかという疑問もある。

赤ワインが肉の脂っこさを取ってくれたり、それだけ飲むの口の中がごわごわになるのは、タンパク質がタンニンと結合して凝固するからだということで、これが同様に納豆でも発生するとすると逆に赤ワインと食べるとべたべたしなくなるはずである。しかし、やったことはないけど、本当にそうなのかという疑問もあった。


実験:

納豆はその粒の大きさによってテクスチャーや香りの強さが変わるため、ひきわり、小粒、大粒の3種を用意。同じメーカーで、たれやマスタードは使わないでの試食


ワイン考-納豆

ワインは白赤複数のものを用意。

1)チリ・ソーヴィニョンブラン ステンレス

2)オーストラリア・トラミナー・リースリング やや甘口

3)フランス リュベロン グルナッシュブランメイン

4)チリ・シャルドネ 樽香付き

5)フランス・ブルゴーニュ ピノノワールロゼ

6)フランス・リュベロン グルナッシュノワールメイン

7)チリ カベルネソーヴィニョン

8)ボルドー メルロー&カベルネ

9)キャンティ クラシコ サンジョベーゼ

ワイン考-ワインと納豆

結果:白ワインは総じてまずくはない。特に邪魔するものもない感じだが、一番合ったのはソーヴィニョンブラン。これはヒキワリよりも小粒の方が美味しく、大粒にすると大粒の持つ素材感をややつぶしてしまう感じ。

やや甘口のワインは納豆が全く生きてこない。

リュベロンも問題ないがソーヴィニョンブランよりはやや飲みづらい。ヒキワリだと若干の苦みが出るということと、大粒だとワインの酸味がすこしえぐくなる。

樽を使ったシャルドネも合わなくはないけどいまいちな感じ。これもヒキワリと大粒だと若干の苦みが出るのと、総じて香りがニュートラルになる感じで、はっきりしなくてぐずぐずし方感じ。

ロゼになると白よりは納豆の香りよりも、ワインの香りががすこし嫌な、むっとしたような香りになる。納豆の方が白ワインより若干つぶされている感じ。


赤は基本的にワインがまずくなる、濡れた犬のようなすこしむっとした香りが出てくるのと、納豆の香りが全くきえて、ねっとりとしたテクスチャーだけが浮き立ってくる。

そのなかで、一番「マシ」だったのが、キャンティであった。しかし、これも合うというよりはましな感じ。少なくともワインの味は悪いダメージはあまり受けていない様子。


考察:

全体の傾向を見ると、

1)酸味が高いワインの方が納豆に合いやすいということ。

2)ベリー系の果実味は納豆の味を殺してしまうということ。

3)納豆と赤ワインを一緒に飲んでもさっぱりはしない。動物性のタンパク質とは違うらしい。

4)赤ワインで悪い印象を発するのはワインの香りのほうであり、納豆の味が悪くなるわけではない


そこで、カシスのリキュールを水で割ったものと納豆を試したが、これは納豆の味わいの美味しさはあまり出ないものの、嫌な感じにならない。という試飲結果になった。


結論:

赤白問わず酸味があるワインの方が納豆の香りを引き立てる。

そして、酸味で口の中をさっぱりさせる効果がある。

だから一番果実味が少なくて、酸味の強かったキャンティが一番ましだったんだと思う。

赤ワインで合わないのは、タンニン。これが納豆のねっとりしたところをさっぱりさせないどころか、

逆に舌から浮き立ててしまう。

それにより、なっとうのべたっとしたテクスチャーが赤ワインによって香りが弱められるので、より一層、

気になる香りが浮き立つのだと思う。

だから、納豆には辛口で酸味があるワインがよく、赤ワインの場合果実味が弱め且つタンニンが弱い者が比較的マシになると思う。

だから、辛口白ワインがおすすめ。


なお、納豆については白ワインに合わせるな小粒なものがよく、赤ワインはどれでもおんなじぐらい難しい。